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 デニス・ブレインのレコード(オーケストラ編)。ジャケット写真は、木下直人様、坂本直樹様、Favart様から送って頂いたものに夢中人のものを加えました。

独奏・室内楽編

パウル・クレツキ / ワーグナー・アルバム
Columbia 33CX1129 パウル・クレツキのワーグナー・アルバム(Columbia 33CX1129)をジャケ買いしました。絵は Otto Knille の「タンホイザーとヴィーナス」。A面の「タンホイザー」〜序曲、ヴェヌスブルグの音楽は、ブレイン時代のフィルハーモニアの唯一の録音であり貴重です。B面の「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死は、オーケストラのみの演奏で、前年フルトヴェングラーと全曲録音を成し遂げている自家薬籠中のものです。


青少年のための管弦楽入門
Columbia 33CX1175 中学生の頃、クラシック音楽に興味を持つことになった思い出の曲、ベンジャミン・ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」。デニス・ブレインがいるフィルハーモニア管弦楽団の1952年9月11、13日、1954年6月8日録音(Columbia 33CX1175)。指揮は前年に「春の祭典」を録音したばかりの鬼才イーゴリ・マルケヴィッチ。

 ナレーターはブリテンと縁の深いピーター・ピアーズで「金管族はホルンで始まる。これらは丸く巻かれた金属の管で出来ている」と紹介。フーガをフューガと発音するんですよ。

 カップリングは、サン=サーンスの「動物の謝肉祭」(1954年1月8日録音)でホルン・パートはありませんがゲザ・アンダとベラ・シキが下手な2人のピアニストを演じていて面白い。

 可愛らしいジャケットの絵は、アンドレ・ハワードのバレエ「動物の謝肉祭」でのピアニスト役、サリー・ギルモアとあります。


ロンドン・デリーの歌
Columbia SED 5547 45回転のモノラルEPレコード、Columbia SED 5547 のB面の1曲目。私の落手したレコードは、状態が良くありませんが愛聴しています。指揮は「フィルハーモニアを作った人々」の一人、ジョージ・ウェルドン (1908–1963)で1956年3月14日に録音されました。2曲目はドリーブの歌劇「シルヴィア」からピチカート。A面はロンドン交響楽団で「G線上のアリア」と「ガヴォット」です。

 デニス・ブレインの奇跡は最後の数十秒にやってきます。

ロンドン・デリーの歌(民謡・グレインジャー編曲)

 サー・ヒューバート・パリーによって世界で最も美しい調べとも言われた「ロンドン・デリーの歌」の楽譜は、著名なアマチュアのヴァイオリン奏者でアイルランド民謡の収集家ジョージ・ペトリにより1855年に初出された。曲はロンドンデリー州リマヴァディのジェイン・ロスが、地元の市場にやってきた人々が歌ったり、弾いたりする調べを書き留める習慣があったことから、その中の1曲を彼女がペトリに与えたものである。

 曲には、幾つもの歌詞がつけられ、考えうるあらゆる楽器や、楽器の組み合わせ、相応しいもの、相応しくないものに編曲されてきましたが、この弦楽器とホルンの編曲が最も美しいものであり、このレコードではそのホルンをあの比類なき (inimitable) デニス・ブレインが演奏している。

(レコードの解説文より)

東芝EMI「ヘルベルト・フォン・カラヤンの芸術」
EAC-37001-19EAC-37020-38
 1979年発売。カラヤンとフィルハーモニア管弦楽団のモノラル録音がモーツァルトからバルトークまでとプロムナード・コンサート、オペラ間奏曲集などを含む全2巻38枚(EAC-37001-19、EAC-37020-38)。

 たとえデニス・ブレイン時代でも「展覧会の絵」や「ピーターと狼」などのステレオ録音は含まれない。

 John Huntによるカラヤンのディスコグラフィーにもこのボックス・セットのレコード番号が多数引用されている、まさにレコードの王様です。


ハーリ・ヤーノシュ
MFP 2042 デニス・ブレインの重要なソロ(第3曲「歌」)とデュエット(第5曲「間奏曲」)があり、日本とも縁の深いウィルヘルム・シュヒター(1911-1974)が指揮したレコード(MFP 2042)なのにまだCD化されたことが無い。ウソじゃありません(兄貴分のカラヤンによる「間奏曲」は二度CD化されました)。

 録音が1952年12月31日と1953年1月1日。これもウソのようで本当です。

 歌劇「ハーリ・ヤーノシュ」のあらすじは、「ハーリは、東ヨーロッパのロシア戦線から重囲を突破してオーストリア王妃を救出する。ついで南部戦線ではフランスの大軍を単身で打ち破り、ナポレオンを捕虜する。そこでナポレオンの妃のマリー・ルイーズから求愛されるが、ハーリはそんな女には目もくれず農家の娘と結婚する。その愛する妻に先立たれたハーリは、余生を昔の自慢話ですごす…」でこちらはウソのお話です。

  「わが国では1926年にブダペストで初演された歌劇は無視されたが、オーケストラ組曲は、あるプロムナード・コンサートで(英国?)初演されて忽ち評判となった」とはジャケット解説。さらにハーリ・ヤーノシュをコナン・ドイルの「ジェラール准将」に例えるあたりがユニークなところ。

  絵は「1813年10月13日、ライプチッヒ、グレート・スクエアにおけるロシアならびにオーストリア皇帝、そしてプロシア王とスウェーデン皇太子(パーカー美術館許可)」とあります。


ティル・オイレンシュピーゲル&ドン・ファン
CLUB NATIONAL DU DISQUE CND 565 Columbiaが最初に発売したLP(33CX 1001)と同じ内容の仏盤 CLUB NATIONAL DU DISQUE CND 565。1951年12月録音。

 カラヤンお得意の演目ですが、1948年4月11日、フィルハーモニア管弦楽団へのデビュー・コンサートでは止まりかけたそうです(ドン・ファン)。

 岩波文庫の赤、455-1『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』512-3『ドン・ジュアン』も一読をお勧めします。

 ジャケット左が屋根に登ったティル、右が剣を構えたドン・ファン。


シルヴィア
 ジャケットにカーソルを合わせると裏面が見られます。

 ドリーブのバレエ音楽「シルヴィア」の全曲盤(RCA Victor LM-2036)。1954年録音。指揮者は、ジョン・ハントのディスコグラフィー『フィルハーモニアを作った人々』に登場する一人で、当時サドラーズ・ウェルズ・バレエ(のちのロイヤル・バレエ)を振っていたロバート・アーヴィング(1913-1995)。

 第1幕「狩の女神」。パリのオーケストラのような派手さはないものの、セクションの上から下まで鳴り切るところがスゴい。

 ジャケットの絵は、ドガの「扇子を持った踊り子」です。


ベルリオーズ/序曲集
HMV XLP 30014 パウル・クレツキ、HMV XLP 30014。1951年9月(「ローマの謝肉祭」のみ1952年7月)録音。

 「ローマの謝肉祭」「ベアトリスとベネディクト」「海賊」「ベンヴェヌート・チェッリーニ」「宗教裁判官」の5曲。PO唯一のベルリオーズ序曲集。

 H.M.V Concert Classics (XLP)は、1960年代に出たモノラルの再販廉価盤シリーズです。






Columbia RL 3071 こちらは、米Columbia RL 3071。「ローマの謝肉祭」が入らないオリジナルの4曲。


ボロディン/交響曲第2番、第3番
HMV XLP 30010 ニコライ・マルコの HMV XLP 30010。1955年9月23、24日録音。

 2番は、前年クレツキと録音したものもあり、いずれもデニス・ブレインが素晴らしく歌うソロを聞かせてくれます。

 東西冷戦の頃、「鉄のカーテンを越えてやってきた」とか言って東側の音楽、指揮者、演奏家が珍重されていました。

 ジャケット写真は、モスクワ赤の広場、聖ワシーリー寺院。


人生のミサ
CBS 61182/3 サー・トーマス・ビーチャムが1909年、ロンドンで初演した大曲の全曲盤、CBS 61182/3(1952~1953年録音)。

 第2部への前奏曲「山の上に」。オーケストラの静寂の中をこだまする3本のホルンが消え入る余韻を味わう暇もなく大合唱が始まるのが不満と言えば不満。

 「デニス・ブレインの芸術」に入っている「山の上に」は、1948年の単独録音です。


ディーリアス/ピアノ協奏曲
HMV ALP 1890 サー・トーマス・ビーチャム/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団のレコードで、唯一封印されていた HMV ALP1890(P1962)。出ないのにはそれなりの理由があるのに NAXOS は無粋なことをする!1946年録音。


モーツァルト/序曲集
HMV ALP 1109 ラファエル・クーベリックとの最後のレコード(1951年5月27日、1952年9月5〜7日録音)、HMV ALP 1109。

 「コシ・ファン・トゥッテ」「魔笛」「フィガロの結婚」「イドメネオ」「ドン・ジョバンニ」「後宮よりの誘拐」「皇帝ティトウスの慈悲」「偽りの女庭師」「劇場支配人」の9曲。ことに「ドン・ジョバンニ」の強靭な表現、とても素晴らしい。

 デニス・ブレインの伝記にRPO米国公演(1950年)のおり、ブレインがシカゴ交響楽団のフィリップ・ファーカスにマウスピースのコピーを送る約束をして、当時同響の音楽監督だったクーベリックを通じて送り届けたエピソードがあります。多分翌年このレコード録音のためロンドンを訪れたクーベリックに託されたものと思っています。


ジークフリート牧歌、ロミオとジュリエット
HMV ALP 1086 1951年10月、ギド・カンテルリとの初録音、HMV ALP 1086。

 ジークフリート牧歌のリハーサルがあまりに苛酷だったために、デニス・ブレインが Never Again!(二度と御免だ!)と音(ね)を上げたもの。

 「ロミオとジュリエット」にも伝えられるところあります。

 序曲「ロミオとジュリエット」で、カンテルリは、出だしの木管による和音に鋭いその耳を傾けていた。彼はその時チャイコフスキーの原典版から、密接に結びつけられたクラリネットとファゴットの両パートを入れ替える実験を行っていたのである。

 実験はしばらく続いた後、Ho sbagliato...Ho sbagliato...I was wrong! (まちがっていた・・・ぼくがまちがっていたんだ!)とカンテルリがうめくように叫んで譜面台の上に突っ伏すことで終了した。

 彼は、その問題に、まさに命をかけていたからであるが、それはまたジャック・サーストンやジャック・アレグサンドラのように普段はほとんど感情を出さぬ芸術家たちが、彼の肩を叩いて慰めるという感動的光景を惹き起こしたものだった。

D.ウルドリッジ著「名指揮者たち」東京創元社 1981

オペラ間奏曲集
Nippon Columbia XL5111(S31.3) 「フィルハーモニア・プロムナード・コンサート」と同様「オペラ間奏曲集」にもモノラル盤(1954年7月22日〜24日録音)とステレオ盤(1959年1月2日〜6日録音)があります。「プロムナード・コンサート」の曲目が全く同じであったのに対し、「オペラ間奏曲集」は数曲曲目の入れ替えが行われました。

 ステレオ盤で録音されながら、最終的にアルバムに入らなかったのがコダーイの「ハーリ・ヤーノシュ」間奏曲とマスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲でいずれもデニス・ブレインに縁のある曲目です。指揮者のヘルベルト・フォン・カラヤンあるいはプロデューサーのウォルター・レッグの拘りではないかと思っています。
これもCDが出ました。その紹介文(↓)には2箇所間違いがあります。さてそれは何処でしょう?

「特にマスカーニの「友人フリッツ」第3幕間奏曲はカラヤンの指示により、オルガンのパートをホルンのブレインが吹いていて、この箇所だけでも一聴の価値があります。」

(答え)
「友人フリッツ」第3幕は「カヴァレリア・ルスティカーナ」、「ブレインが吹いていて」は「ブレインが(オルガンを)弾いていて」

ジャケットをクリックするとレーベルが見られます。


フィルハーモニア・プロムナード・コンサート
Columbia 33CX1335 モノラル時代の名盤 Columbia 33CX1335 。ホルンのソロで始まるワルツ「スケートをする人々」が1曲目。東芝EMIから2006年、待望のCDが出ました。


ベルク/ヴァイオリン協奏曲
Columbia 33C-1030 1953年8月録音、Columbia 33C-1030(10インチ盤)。プダペスト生まれのアンドレ・ジェルトレル(1907-1998)のヴァイオリンとパウル・クレツキの指揮。

 1996年、EMIの許諾を得てHUNGAROTONがCD化(HCD 31635)。


ロミオとジュリエット、死と変容
Columbia 33CX 1328 Columbia 33CX1328。1955年3月、アルチェオ・ガリエラの「新世界」以来、2年ぶりの管弦楽曲録音。

 B面のリヒャルト、出だし静かなので音量を上げて聞いていると、途中から部屋中オーケストラで洪水に・・・。


真夏の夜の夢
Columbia 33CX 1174 Columbia 33CX1174、パウル・クレツキの「真夏の夜の夢」(8曲選)。1954年2月、マンフレッド、ボロディンの第2交響曲に続くセッションでの録音。ジャケットは、1949年、ストラットフォード・アポン・エイヴォンにおける舞台写真。









Angel 35146 こちらはAngel 35146。夜想曲のホルンのソロは、一見簡単そうですが、経験者でいらっしゃる坂本さん曰くとても大変だそうです。そのせいかペティットのディスコグラフィーでは「オーケストラ作品」ではなく「ソロ及び室内楽作品」に載っています。


イギリス、スケルツォ・カプリチオーソ
Columbia 33SX 1034 ウォルフガング・サヴァリッシュとの初レコード、Columbia 33SX 1034(1954年6月録音)。ボヘミアの香りのない、いわゆるドイツ的なドヴォルザーク。

 サヴァリッシュは、レコードに執着する指揮者ではなかったらしく、これに先駆けて録音されたヨハンナ・マルツィとのモーツァルトとメンデルスゾーンの協奏曲は発売に至らず(1995年、日本初発売)。

 それでもオルフの歌劇「賢い女」やリヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲と何れも初の全曲録音を残しました。

 スタジオ録音にももちろん存在理由はあります。たとえば一連の作品をすべてライブ演奏することは、さまざまな理由から実行不可能だからです。

 コンサートの曲目を見ると、ほんのたまにしか演奏プログラムに入っていないが良いレコードのコレクションにはこうした曲も欠かすわけにはいかないという曲があります。その意味で、私たちは当時、ロンドンで偉大なホルン奏者のひとり、デニス・ブレインとともに、リヒャルト・シュトラウスの二つのホルン協奏曲を録音したのでした。

ウォルフガング・サヴァリッシュ『音楽と我が人生』第三文明社 1989.9

新世界
Columbia 33SX 1025 アルチェオ・ガリエラの「新世界」。Columbia 33SX 1025。1953年録音。ジャケットは、ニューヨーク、マンハッタン島の遠景。古いけどカッコいい。










Angel 35085 こちらはAngel 35085。フランス仕込みのおしゃれなアルバム(mercure éd. paris)。


四つの最後の歌
Angel35084 Angel35084。オットー・アッカーマンの1953年9月録音。EMIにはヘルベルト・フォン・カラヤンのブレイン在籍時最後の演奏会録音(1956年6月20日)もあります。歌はいずれもエリザベート・シュワルツコップ。

 エアチェック録音にはウィルヘルム・フルトヴェングラーとの初演奏会(1950年5月22日、キルステン・フラグスタート=世界初演)や大英図書館ナショナル・サウンド・アーカイヴにあるカール・ランクルの演奏(1952年7月12日、セナ・ユリナッチ)があります。

 いずれもデニス・ブレインのしみじみとしたソロが聴かれます。

 2006年11月、驚いたことにTestamentがフルトヴェングラーのライブ盤の発売予告を出しました。レコード時代から貧しい音のアセテート盤を音源としたものしか存在しなかったこの演奏。「ヒストリカル」の雄が1952年トスカニーニ・コンサート以来、久々に放つ大ホームランとなるのか興味深々!

 幸い手に入れたあかつきには、矯めつ眇めつ眺め廻したうえに、日を選び、当日は手など清めたのち、Melodram盤なんかをちょっとかけて「なんじゃこりゃー!」などと叫びつつ、遂に有難くも嬉しくも拝聴することと致します。



前奏曲、イタリア奇想曲
Columbia 33SX1013 アルチェオ・ガリエラ指揮。1953年1月、ロッシーニの序曲集に引き続いて録音されたColumbia 33SX 1013。

 艶やかに歌われる旋律!熱く刻まれるリズム!ともかくウキウキするようなイタリア奇想曲です。


シェエラザード
Columbia 33SX1007 リムスキー=コルサコフのシェエラザード(Columbia 33SX 1007)。指揮者、イザイ・ドブロウエン(1894-1953)の白鳥の歌でもあるこのレコード、以前Testamentがリリース予告を出したのに実現しませんでしたが、2005年、ようやくArchipelでCD化(ARPCD0308)されました。

ジャケットをクリックするとレーベルが見られます。







Angel 35009 こちらはAngel35009。レコードは英国プレスですが厚手で豪華なジャケット(17世紀のペルシャ人のミニアチュア)が当時のアメリカ盤の特徴。


ロッシーニ/序曲集
Columbia 33SX1006 トスカニーニやセラフィンといったイタリア人指揮者のものが決定盤と言われるなら、ビッグネームならずともアルチェオ・ガリエラの1953年1月録音盤(Columbia 33SX 1006)も並び賞されるべきでしょう!

 時にダイナミックに、時に颯爽と自由自在の表現。あちこちで飛びっ切り上手な首席奏者達のソロが炸裂しますが、中でもティンパニのジェームズ・ブラッドショーの名人芸が際立ちます。

 曲目は、4本のホルンが活躍する「セミラーミデ」のほか「ブルスキーノ氏」「シンデレラ」「アルジェのイタリア女」「絹のはしご」。最後にその行進曲が西部劇でよく使われた「ウィリアム・テル」。ホルン・ソロで有名な「セヴィリアの理髪師」が入っていませんが、こちらは1957年の歌劇全曲録音で。


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