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第300話「J. クリップス指揮 NSO(ナショナル交響楽団と新交響楽団)」
 第270話「まぼろしの美しく青きドナウ」で話題にしたヨゼフ・クリップスのワルツ「美しく青きドナウ」。1947年10月17日、指揮者と契約したばかりのデッカと当日オーケストラとの契約が終了するナショナル交響楽団(NSO)による最期の録音。デッカの誇るffrr録音((Full Frequency Range Recording、全周波数帯域録音)によるKシリーズの1枚(K1725)。デッカは1980年にポリグラムの傘下に入った際、メタル原盤を全て廃棄したと言いますので、こういった復活は大変珍しく、貴重。






 予定されていた楽曲、「皇帝円舞曲」「加速度」「常動曲」「アンネン・ポルカ」「南国のバラ」は、1948年4月に同じキングスウェイ・ホールで新交響楽団(NSO)と録音されました。略称は同じでも明らかに違うオーケストラなのですが、R. マーシャル教授の「デニス・ブレインのレコード」は皇帝円舞曲も記載している。確かにフィリップ・スチュアートによるディスコグラフィー DECCA CLASSICAL, 1929-2009 でナショナル交響楽団による皇帝円舞曲は第1面(AR11671-72)のみで第2面以降は、新交響楽団で再録音(AR12162-63)したとあり、果たしてブレインが録音に参加した第1面は使われたのか否か。耳を澄まして聞いてみることに致しましょう。
2024年5月5日 7時48分

第299話「マレ/バスク人」
 最近CD化されないものをインターネット上から拾い上げて共有させてもらっています。この「バスク人」も元々はBBCのものですが、1974年当時、アメリカでEverest RecordsがLPを出しました(日本ではテイチクレコード)。BBCは本来権利に大変煩い筈ですが、ここではEverest Recordsが「無断複製は法律違反となります」と警告を発しています。YouTubeに心より感謝します。
 
2024年5月4日 18時42分

第298話「パーシー・グレインジャー/2種類のロンドンデリーの歌」
 パーシー・グレインジャーの「ロンドンデリーの歌」のおしまいのところでデニス・ブレインは比類なきソロを吹きました。ジョージ・ウェルドンが1956年3月14日、キングスウェイ・ホールで録音したEP盤(Columbia SED 5547)のことを示します。

 この曲にもう1種類ブレイン時代の録音があることは知りませんでした(American Columbia RL 3042)。1949年1月6日、アビー・ロード、指揮者はウォーリック・ブレイスウェイト(1896-1971)。グレインジャーはさまざまな編成による編曲版を残したといいますが、この録音でもホルンが鳴っているように聞こえて仕方がありません。なのにマーシャルの労作「デニス・ブレインのレコード」にこの1949年録音は載っていない。みなさまはどう思われますか?


2024年4月28日 10時06分

第297話「ストラヴィンスキー/バレエ「ペトリューシカ」組曲 (1947年版)」
 未だCDになっていないLP、 HMV ALP1503。
エフレム・クルツ指揮/フィルハーモニア管弦楽団
1957年4月9、11日 ウォルサムストウ・タウン・ホール











 イーゴリ・マルケヴィチがコロムビア・レーベルに移籍して以来、HMVはニコライ・マルコを擁していたが、ロシアのレパートリーに代わりの指揮者を必要としていた。1955年3月、エフレム・クルツはフィルハーモニア管弦楽団とHMVの録音を始めた。彼は1955年1月にEMIと契約し、ショスタコーヴィチの交響曲第10番の録音から始めた。クルツはロシア・バレエ団とアンナ・パヴロワ・カンパニーで長年働いており、1956年1月23日はパヴロワの没後25周年にあたるため、彼女の芸術へのオマージュとしてレコードが発売される予定だった。当然クルツが選ばれて、1955年6月、ロンドンのアンナ・パヴロワ・コミュニテーと緊密に協力し、フィルハールモニアとパヴロワに関連する小曲集の録音を開始した。

S. ペティット「フィルハーモニア管弦楽団」P.76
2024年4月21日 19時39分

第296話「両耳で聞く/第9バイノーラル録音」
 1955年7月24日から29日にかけてウィーン楽友協会黄金ホールで行われたヘルベルト・フォン・カラヤンとフィルハーモニア管弦楽団の第9録音。録音はステレオ最初期のバイノーラル録音で、EMI録音チームによる楽団員とマイクの配置を示す計画図(↓)がとても面白い。



   
第1楽章〜第3楽章第4楽章
from 2014 Warner Classics Karajan Beethoven Symphonies 1-9, Overtures

 指揮者の背後のバイノーラル・マイクロフォンが1本と、第4楽章ではソリスト4人の中央にモノラル・マイクロフォンが1本、それにティンパニにもモノラル・マイクロフォンを置いていたらしい。さらにティンパニとホルン・セクションを舞台上移動させていたという。
新装置(バイノーラル・マイクロフォン)全般レベル -16
第4楽章では合唱を録るために、オーケストラの音色を犠牲とする。録音3日目にティンパニを左端に移動。ティンパニを「電気的に」元の位置に戻すためにモノラル・マイクを使用。ソリスト向けのモノラル・マイクを4人の中央に配置。

マイクの位置
(A) 指揮者の前でオーケストラの中心に向けられたマイク(高さ27フィート2インチ)
(B) 第4楽章では高さ24フィート4インチのマイクをオーケストラに向けている。
第1楽章、第2楽章、第3楽章の位置は(A)。 第4楽章はポジション(B)
ティンパニは1955年7月27日に移動。(右のティンパニにはモノラル・マイクを挿入)







 デニス・ブレインはBBC講演リサイタル「初期のホルン」を1955年7月23日に収録後、ウィーン入り。第3楽章でカラヤンの指示により4番ホルンのソロを吹きました。ティンパニは名手ジェームズ・ブラッドショウ(写真はこちら)に違いありません。

 楽友協会ホールの舞台配置を頭に描きながら聞いていると、いつのまにか本当にそこにいるような感覚を覚えました。これがバイノーラルということなのかな。


2024年4月13日 18時49分

第295話「ハイドン/トランペット協奏曲変ホ長調」
 フィルハーモニア管弦楽団の創立時メンバーの一人、トランペットのハリー・モーティマー(1902-1992)の演奏。1946年6月19日午後アビーロードでの録音。その日の午前中にはキングスウェイ・ホールでトランペット・ヴォランタリーも入れた記録がありますがこちらは未発売。どちらもジョージ・ウェルドン(1906-1963)の指揮。uchukyoku1さん公開ありがとうございます。素晴らしいコレクションですね。 
フィルハーモニア管弦楽団のデビューコンサートの主席奏者達はこちら
2024年3月30日 17時15分

第294話(削除)
 

第293話「両耳で聞くデニス・ブレイン/フィンランディア」
 Early stereo recordings Vol.6と銘打たれたシベリウス・アルバム。トリを取るのがジョージ・ウェルドンとフィルハーモニア管弦楽団による1956年3月12日録音のフィンランディア。

 本アルバム冒頭のヴィットリオ・グイとフィレンツェ五月祭管弦楽団のフィンランディアはステレオ録音初期の「バイノーラル録音」だそうですが、ヘッドホンで聞くと面白いのかしら。









 ICRC1996年夏号、マイケル・グレイによる記事『両耳で聞く』で、今日ではバイノーラルとステレオという言葉は、音の録音と再生の2つのまったく異なる方法であり、1953年のウィリアム B. スノーの論文によれば、バイノーラル・システムはリスナーを元のシーンに連れていく、一方でステレオ・システムは音源をリスナーの部屋に再現する…。

 1955年7月のカラヤン&フィルハーモニア管弦楽団のベートーヴェンの第9は、バイノーラル録音だったようですね。
2024年3月30日 8時39分

 
第292話「トーマス・ビーチャム3種類目の組曲『町人貴族』」
昨年Sommから発売された「Thomas Beecham Conducts Richard Strauss」はビーチャムお得意でホルンが大活躍する「町人貴族」がメイン・タイトル。1956年10月17日録音というのでデニス・ブレインが久々ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(RPO)のコンサートに復帰している可能性もある、という訳でサンプルを試聴しました。

 思わずジャケ買いしちゃいそうですが今回は見送ります。もちろん他の2種(1947年と1952年録音)同様、RPOの演奏は大変見事です。
 ライナーノートにメンバー表載っていました。こちらです
2024年2月11日 16時22分

第291話「ビーチャム&RPO、1952年エディンバラ祭/シベリウス交響曲第1番+組曲『歴史的情景』から」
 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(RPO)75周年記念盤。Music Preservedに保管されていたライブ演奏のCD化。2003年に出たスタジオ録音CD(Sony Classical.UK、SMK87798)と同じ組み合わせです。こちらデニス・ブレインが時折トロンボーンの様な音を出すのに驚きます。  
Music Preserved
2024年2月3日 21時39分

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