| 第256話「両耳で聞くデニス・ブレイン/マタチッチのブルックナー」 |
 アラン・サンダース氏によるとロブロ・フォン・マタチッチ(1899-1985)とフィルハーモニア管弦楽団の2枚組LP(Columbia 33CX 1274/5)は、ライバル盤のハンス・クナッパーツブッシュ(クナ)とウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の2枚組LP(Decca LL 1250/1)ほどは売れなかったらしい。
デニス・ブレインの高雅なソロとイギリスの黄金時代にあるオーケストラをもってしても、東欧の当時未だ知られざる指揮者と本場独墺の巨匠では分が悪かったに加えて、クナ盤の埋草は「ジークフリート牧歌」なのに対し、マタチッチ盤はブランク。
そこで1956年に交響曲第0番の第3楽章のスケルツォと序曲ト短調を追加で録音し、堅牢なボックスと8ページにおよぶ解説書を付けて米国で発売(Angel Album 3548 B (35359-360))。追加の2曲は第2面に挿入されました。
本編の第4番は1954年のモノラル最後期の録音ですが、追加の2曲はステレオ録音で、CDでは本来の姿で登場しました(スケルツォはEMI 5 68739 2、序曲はTestament SBT1050)。
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2019年6月1日 10時41分
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