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第260話「英国空軍中央音楽隊米国ツアー (1944/45) 」
 昨年英国空軍を退役されたギル・シングルトンさんから英国空軍中央音楽隊米国ツアー (1944/45) の新しい写真が送られてきました。1945年1月、とある駅に到着した際のもの。デニス・ブレインやノーマン・デルマー、ガレス・モリスらが見つかりました!(左は部分拡大写真)  
2019年10月02日 22時10分

第259話「デニス・ブレインのリハーサル風景」
 英国のスティーヴン・ギャンブルさんから、フェイスブック "Horn Group" の投稿で1985年5月31日午後10時20分BBC1で放映された「生誕100年オットー・クレンペラーへのオマージュ」総集編の中にフィルハーモニア管弦楽団のリハーサル風景が見れるとお知らせ頂きました。その中に端正なデニス・ブレインのお姿が!

 
2019年8月5日 19時43分

第258話「両耳で聞くデニス・ブレイン/Early stereo recordings Vol.2」
 First Hand Records レーベルによる初期ステレオ録音シリーズの第2巻 (FHR59)。モーツァルトの第34番の交響曲はTestamentで出ていたモノラルのステレオ・バージョン。シューベルトの第3番は初登場です。ブックレットが情報満載でなんとモーツァルトのピアノと管楽器のための五重奏曲 K.452がホースレイとギーゼキングの両方とも[恐らく現存していないものの]ステレオで録音されていたことが明らかにされています。いやはや驚きました!
the Archive of Recorded Sound (ARS)
2019年7月6日 8時53分

第257話「Great Soloists from the Richard Itter Archive / Sir Thomas Beecham Vol.2」
「ホルンの部屋」の山田由雄さま、ご紹介本当にありがとうございました!











 同時に出る「トマス・ビーチャム 第2集」の最終曲、R.シュトラウス/組曲「町人貴族」(1952年12月21日録音)はきっとデニス・ブレインが吹いています。1947年のレコード録音同様大変素晴らしい!
2019年06月07日 21時45分

第256話「両耳で聞くデニス・ブレイン/マタチッチのブルックナー」
 アラン・サンダース氏によるとロブロ・フォン・マタチッチ(1899-1985)とフィルハーモニア管弦楽団の2枚組LP(Columbia 33CX 1274/5)は、ライバル盤のハンス・クナッパーツブッシュ(クナ)とウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の2枚組LP(Decca LL 1250/1)ほどは売れなかったらしい。

 デニス・ブレインの高雅なソロとイギリスの黄金時代にあるオーケストラをもってしても、東欧の当時未だ知られざる指揮者と本場独墺の巨匠では分が悪かったに加えて、クナ盤の埋草は「ジークフリート牧歌」なのに対し、マタチッチ盤はブランク。

 そこで1956年に交響曲第0番の第3楽章のスケルツォと序曲ト短調を追加で録音し、堅牢なボックスと8ページにおよぶ解説書を付けて米国で発売(Angel Album 3548 B (35359-360))。追加の2曲は第2面に挿入されました。

 本編の第4番は1954年のモノラル最後期の録音ですが、追加の2曲はステレオ録音で、CDでは本来の姿で登場しました(スケルツォはEMI 5 68739 2、序曲はTestament SBT1050)。
2019年6月1日 10時41分

第255話「両耳で聞くデニス・ブレイン/モーツァルトの管楽器のためのセレナード」
 初期のステレオ録音には、旧来のモノラル録音と同時に実験的にステレオ録音を並行して行うもの、LP時代はモノラルで発売されていたものがCD時代になってステレオで出るパターンがひとつ。もうひとつが、一旦モノラルで発売されたのち、後年ステレオで再録音されるパターン。

 いずれも同一のレーベルなのが普通ですが、ブレインが参加するロンドン・バロック・アンサンブルのモーツァルトの管楽器のためのセレナードは、パーロフォン(EMIの廉価盤)の1952年モノラル録音とパイ・ニクサによる1957年ステレオ録音があり極めて例外的。

 第11番、第12番とも管楽八重奏曲ですが、1957年録音には第11番のオリジナルの六重奏曲による第4楽章メヌエットがボーナス録音として付いており、さらに面白いのはホルンとバスーンのメンバーに入替があること。果たして同じ日の録音であったのかどうか…

 1952年録音は、第3、第5楽章のみ東芝EMIが1992年発売の「デニス・ブレインの芸術」に含めたのち、2000年に Testament が全曲をCD化しましたが、1957年録音は1991年に EMI PHOENIXA という変わったロゴ付きでCD化されたものの長らく廃盤です。  
管楽器のためのセレナード K.375 & 388(Pye録音)

レーベル Parlophone Pye/Nixa
レコード番号 PMB 1002 PMA 1013 CCL 30119
プロデューサー ジョージ・マーティン ジョン・スネイシャル
バランス・エンジニア ダグラス・ラーター
ロバート・E・ベケット
ロバート・オーガー
録音場所 アビー・ロード・スタジオ No.1 クリックルウッド聖ガブリエル教会
第11番 第12番 第11番 第12番
録音年月日 1952.1.3/4 1952.6.23/24 1957.5.15 1957.5.13
オーボエ シドニー・サトクリフ
ロジャー・ロード
シドニー・サトクリフ
ナタリー・ジェームズ
マイケル・ドブソン
ナタリー・ジェームズ
シドニー・サトクリフ
ナタリー・ジェームズ
クラリネット ジャック・ブライマー
ジェルヴァーズ・ド・ペイエ
ジャック・ブライマー
バジル・チャイコフ
ジャック・ブライマー
バーナード・ウォルトン
スティーヴン・ウォータース
ジャック・ブライマー
スティーヴン・ウォータース
バスーン セシル・ジェームズ
エドワード・ウィルソン
セシル・ジェームズ
エドワード・ウィルソン
セシル・ジェームズ
ヴァル・ケネディ
セシル・ジェームズ
エドワード・ウィルソン
ホルン デニス・ブレイン
ニール・サンダース
デニス・ブレイン
ニール・サンダース
デニス・ブレイン
ニール・サンダース
デニス・ブレイン
ニール・サンダース
      第11番第4楽章  
クラリネット     ジャック・ブライマー
スティーヴン・ウォータース
 
バスーン     セシル・ジェームズ
エドワード・ウィルソン
 
ホルン     アラン・シヴィル
アルフレッド・カーシュー
 
 Testament SBT1180とEMI CDM 7 63958 2 の解説書を参考にしました。


2019年05月05日 20時34分

第254話「両耳で聞くデニス・ブレイン/ヘルベルト・フォン・カラヤン、ベートーヴェン、ウィーンの第九」
 S.ペティット著/山田淳さん訳のデニス・ブレイン伝「奇跡のホルン」第8章「全速力」にある興味深い一節。
 BBCでの講演の後、デニスはフィルハーモニアと一緒にウィーンに飛び、カラヤンの指揮、ウィーン楽友協会合唱団との共演で、5日間かけてベートーヴェンの《合唱》を録音した。これはステレオで録音された最初期のものであったが、結局モノラルでしか発売されなかった。
 このステレオ録音の存在は、同じペティットの著書「フィルハーモニア管弦楽団 1945-1985 業績記録」にも音楽之友社の「カラヤン全軌跡を追う」完全ディスコグラフィーにも記載が無い。

 それが2014年、WARNER CLASSICS UKによるカラヤンの壮大な公式リマスター・エディションで突然飛び出したのには驚きました。そもそも第九と言えば、ウィルヘルム・フルトヴェングラーによるルツェルンの第九が余りにも絶対的な存在で、カラヤンのウィーンの第九は正直あまり聞く機会がありませんでした。

 カラヤンは第九ではフェリックス・ワインガルトナーの改定版を使いませんので、ルツェルンの第九のような第2楽章での華々しいホルンの活躍はありませんが、第3楽章のデニス・ブレインによる4番ホルンのソロは本当に見事。

 ステレオ盤でカラヤンが狙った最大限の効果について。WARNERの全集のブックレットには文章こそありませんが、録音時の舞台配置図がその謎を解き明かしてくれます。さらに彼が常套手段としていた小間切れの録音に苛立ちを覚えたオーケストラを感じながら聞くとより面白くなります。
第九、ウィーン録音

(坂本直樹さんによる)第九
2019年4月18日 22時01分

第253話「両耳で聞くデニス・ブレイン/プロコフィエフ交響曲第7番」
 デニス・ブレインにあって、ウィルヘルム・フルトヴェングラーにないもの―ステレオ録音。

 EMIによる最初のステレオ録音は、1955年2月7日、ニコライ・マルコとフィルハーモニア管弦楽団によるプロコフィエフの交響曲第7番というのが定説でしたが、先年イギリスの First Hand Records がハリー・ブレックとロンドン・モーツアルト・プレイヤーズの1954年12月録音のリンツ交響曲のステレオ・バージョンをCD化してこの定説をいとも簡単に覆してしまいました。

2019年4月14日 18時47分

第252話「ピアノ奏者はマルチン〜五味康祐『西方の音』」
 木下直人さんに頂いた五味康祐のオーディオ・クラシック音楽評論『西方の音』(1969 新潮社)にブルグミュラーの25の練習曲の米国盤レコードが1枚だけカタログに載っていて、演奏者はマルチン。音楽之友社の演奏家大辞典によると David Martin というイギリスのヴァイオリン奏者のようである…。

 デイヴィッド・マーティン(1911-1982)といえばデニス・ブレインの同僚としてイギリス空軍(RAF)交響楽団のコンサートマスターを務め、戦後は王立音楽院で教授となった偉いお方。

 本当にピアニストがこのヴァイオリン奏者だったのか知る由もありませんが、デニス・ブレインのオルガン奏者としての例もありますし、有り余る才能の捌け口がもう一つあったとしても不思議ではありませんよね。

RAF SYMPHONY ORCHEATRA Tour of the United States 1944-5
2019年2月24日 18時44分

第251話「コンスタンティン・シルヴェストリ、動く!」
 昨年末にNHKで1964年4月5日のコンスタンティン・シルヴェストリがNHK交響楽団に客演した際の放送録画が放映されました。曲は彼が1957年に鉄のカーテンを越えて西側にやってきてフランス国立放送局管弦楽団(ORTF)と録音し、Charles Cros Academy (ACC)の一等賞を得た「新世界」。

 食い入るように見た録画は第1楽章の冒頭からの一部だけでしたが、第1ホルンはバーチさんではなくて安原正幸さんであったことが分かりました。これは私の想像ですが、当時のN響には音色が多彩な方がいらして、曲想に合わせてトップ奏者を変えることが出来る。これは放送に携わるオーケストラの場合、いずれもそうで上述の ORTF もアンゲルブレシュトのもとでお国もののドビュッシーをやったかと思えば、オイストラッフの伴奏でベートーヴェンやブラームスだって立派に演奏したということと同じかなと。

 パリ音楽院管弦楽団がクリュイタンスと同年同月、来日して最後の華を咲かせて散っていったことを考えると興味深いですね。
ICON コンスタンティン・シルヴェストリ
2019年02月15日 20時08分

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