| 第334話「音楽の友 落穂ひろい(1957)」 |

◎演奏会
関響の指揮者の朝比奈隆氏は、過搬招かれて北欧のストックホルム管弦楽団を指揮するため渡欧したが、これに入れ替わって、スェーデンの指揮者フリークベルク氏が関響を指揮するために来日した。1月の新春には帰国する。北欧、ヨーロッパ、ソ連、イスラエルの各オーケストラを指揮しているという経歴を持っている人で、チョット風変わりなお客であった。(中略)現代のスェーデンの作品でエリック・ラルソン、アルベーン等も日本に紹介するそうだが、こういう北欧の国々と音楽交流できるのも仲々興味深いし、これも平和な世の中のお蔭だと妙なところで感心してみる。
1957(S32)年2月号より
デニス・ブレインが北欧楽旅した1956年10月7日、ストックホルムにおけるステン・フリクベル(フリークベルク)指揮スウェーデン放送交響楽団とのモーツァルトの協奏曲第2番がBISからLP3枚組『スウェーデン放送交響楽団の50年』中の1曲として発売されたことがあります。日本とご縁があったんですね。
◎ベンジャミン・ブリトゥン《20世紀の作曲家 X》柴田 南雄
(前略)「セレナード」では華やかなテノールと至難なホルンのパートが弦楽器群に対してひびきの対照を見せているが、とくに冒頭のホルン・ソロの「プロローグ」は旋律全体をピストンを使わず自然ハーモニックスで奏するよう指定されている。従って第7倍音(変ロ)や第11倍音(ヘ)の音程は純正調や平均律とは異なったものとなるので、ここにも音色の効果への彼の関心がうかがわれる。なお、これらの諸曲は、どれもしばしば演奏されている。
1957(S32)年9月号より
昨年4月に続く詳細不明の発言。華やかなテノールと至難なホルン・パートをしばしばこなす名人とは一体誰なのだろう? デニス・ブレインの訃報も見当たらなかったように思う。
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2025年10月13日 15時26分
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