録音は1948年5月8日、2人の同僚とはイアン・ビアズとレイ・ホワイトであり、LPレコード時代から最新のDENNIS BRAIN HOMMAGEまで変わることはない。さらに元を正せばEMIが通信販売レコードレーベルとして英国で発足したワールドレコードクラブから1976年に発売した The Music of Delius - Volume1 World Records SHB 32が初出。RPOには1952年から1953年にかけての全曲録音もある(左掲)。
ところが1992年に発売されたBeecham Edition CDM 764054 2のトラック13がブレイン関連のディスコグラフィーに若干の混乱を招いた。曲は「山上にて On the Mountain (Paa vidderne)」で人生のミサ第2部と同じサブタイトルを持っているものだから1995年のジョン・ハントのディスコグラフィー「Musical Knights」が『人生のミサ』第2部への前奏曲、1946年11月録音と掲載。これは1890年作曲の交響詩「頂きにて」の誤りで2017年にWarnerから発売されたディーリアスの管弦楽・合唱曲集では Paa Vidderne(On the Heights)に修正されている。曲は1946年11月8日、ロイヤル・アルバート・ホールでのディーリアス音楽祭の1曲目にリチャード・オースティンの指揮で演奏、11月26日にビーチャムが録音。
いずれにせよBeecham Edition CDM 764054 2の Paa Vidderne は3番目の人生のミサ第2部への前奏曲ではないことは間違いなく、初出は1979年発売の The Music of Delius - Volume2 The Post War Years 1946-1952 World Records SHB 54。
ジョン・ハントのディスコグラフィー「フィルハーモニアを作った人々 Makers of the PHILHARMONIA」の11人の指揮者のうちのひとり、ロバート・アーヴィング(1913-1991)。指揮者になる前は英国空軍の飛行機乗り(Squadron Leader 少佐、Leading Aircraftman 技能兵 のデニス・ブレインより偉い)だった異色の人。前の話のアーネスト・アーヴィング(1878-1953)と縁戚関係は無い。フィルハーモニア管弦楽団とEMIに遺した録音19曲でチャイコフスキーの幻想序曲ハムレットとドホナーニの組曲以外は全部お得意のバレエ音楽ときました。左はドリーブの「シルヴィア」から狩の女神。ホルンがセクションでカッコいい!