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360.しつこくバボラーク

name: 宮さん - 2003年01月27日 20時52分29秒

 Favartさん、偶然です。私も腹風邪でダウンし、パソコンを障る気にもなれませんでした。今、妻のパソコン制限令を無視してこっそりとキーボードを叩いている最中です。(まだ、腹が…)
 また、長い引用をします。
 「ホルンの名手と聞いてデニス・ブレインを連想する人は今なお多い。ブレインは文字通り天才であり、スターであった。その存在感があまりに大きかったゆえ、彼亡き後、ホルンの名手は必ずといっていいほど『ブレイン以来』とか『ブレイン級』という冠つきで紹介されている。2003年からベルリンフィルの主席ホルン奏者就任が決まっている、チェコ生まれの天才ラデク・バボラークの紹介文にも、そういった冠がしばしば使われているようだ。
 しかし、神に選ばれた演奏家である点はブレインと同じとしても、バボラークは新しいタイプの、21世紀の音楽家だ。冠はブレインからバボラークへと受け継がれてゆく。(後略)」(HMVのフリー・ペーパーに載っていた川上馨氏の文章より)
 うーん、ほめすぎ。前回バボラークを擁護した宮さんであったが、私の直感では、ブレインには確実にあるものが、バボラークには欠如しているように感じられるのである。その「何か」が「何か」であるかは、まだ、分からないし、私が大きなミスをおかしているのかもしれない。
 『憧れのデニス・ブレイン』が『憧れのラデク・バボラーク』にとってかわる日が来るのは、“上の宣伝文を読む限り”近いのかもしれない。
 皆様、しつこくて、ごめんなさい。妻が風呂からあがったので、これくらいにしておきます。次は、クレツキとブレインについて、書く予定。


359.IGI-370の写真

name: Favart - 2003年01月26日 23時48分17秒

では、夢中人様のおっしゃるように右手がキーの位置にきていて、写真が左右逆になっています。(この話はどこかで聞いたような気がします。)ちなみに、このレコードのジャケットの裏面は他のレコードの広告写真ばかりで、演奏者の詳細、録音年などは全てレコードのレーベル面に書いてあり、アメリカ的と言うか、合理的というか、ちょっと寂しい感じです。ワルター協会のレコード会社なのですね。
夢中人様がお持ちの国内盤(日コロンビア、OW-7218-BS)はステレオになっているでしょうか?ホルン・ソナタ(1950年録音)を除いて、ステレオ録音ではないかと思っているのですが。

ジャケット上、MONOになっています。聴いた感じとても立体感があるので、複数のマイクロフォンで録音されたのではないでしょうか。 1月27日 夢中人

358.Aldeburgh Festival 1955

name: Favart - 2003年01月25日 22時31分42秒

前々から気になっていたLPレコードDiscorp IGI-370(P1979 Educational Media Associates)を運良く入手できました。レコードにはMONOとなっていますが、ステレオ(擬似でないようです)、ライヴ録音で、会場の雑音も入っていて、リアリティ十分です。4.はBBCのCDに入っていますがモノーラルで、LPに入っていないノイズが入っています。LPはアメリカ盤で、盤質はやや悪いようですがCDより音質は良さそうです。
3.を除きすべて1955.6.22の録音(放送?)で、Marshallの本で調べると、Aldeburgh Festival 1955とあり、ペティットの本ではBBC第3放送で放送されたとのことです。同じ日にブリテンの「そして雨は降り続く」も録音されていますが、残念ながら、こちらはこのLPには入っていません。
演奏はブレインの持ち味が十分発揮された、のびやかですばらしいものでした。
1.のモーツァルトは別録音がBBCのCDで発売されています。ここで気になるのが、
[arr.Baines]で、BBCのCDの解説では「Anthony Bainesがフルート、クラリネット、ピアノの入った曲に編曲」とありますが、BBCのCDでもIGI-370でもピアノらしき音は聞えません。BBCのCDではGeorge Malcolm,Pianoとなっていますが不思議なものです。ちなみに、Marshallの本ではGeorge Malcolmとの共演はJacob作曲のSextetのみでした。

曲目は
1.Mozart[arr.Baines]:Divertimento in B-flat, K.270[9:20]
with the Dennis Brain Wind Quintet {→1955.6.22 BBC 3}
2.Beethoven:Quintet in E-flat,Op.16[22:30]
with Benjamin Britten, Piano The Dennis Brain Wind Quintet
[Recorded 1955] {→1955.6.22 BBC 3}
3.Beethoven:Sonata for Horn & Piano, Op.17[14:05]
   with Conrad Hansen, Piano[rec.date unknown]
   {→1950.4.20 RIAS Live}
4.Mihaud:Le Cheminee du Roi Rene:Suite for Wind Quintet[12:10]
with the Dennis Brain Wind Quintet[Recorded 1955]
  {→1955.6.22 BBC 3}
*{→ }はFavartが加筆。

Favart様。Educational Media Associates といいますと、現在の Music & Arts に繋がるレーベルですね!またとても珍しいレコードを入手なさいました。IGI-370は、表紙のブレインの写真が左右逆になっておりますか?

兄レナードらと組んだデニス・ブレイン管楽五重奏団は、いわば彼のアンサンブルの原点でもあるのでこのレコードの存在は本当に貴重です。特に4.ミヨー「ルネ王の暖炉」は、1980年にLP(日コロンビア、OW-7218-BS)が出た際、トゥールーズの演奏と何度も聴き比べました。楽器個々の音色や表情の華やかさではとても全盛期のフレンチ・スタイルには及ばないと思いますが、良い演奏と思います。

1.モーツァルト/ディヴェルティメント、変ロ長調K.270(ベインズ編)は、木管五重奏なのでピアノは入っていませんよね。念の為、東芝EMI「デニス・ブレインの芸術」の1957年録音(33CX1687)も聴いてみましたが同様でした。

ご指摘のとおりジョージ・マルコムは、ジェーコブの六重奏曲での協演のみで上記33CX1687にイベール/三つの小品とともにこのK.270が入っていたので、BBC(BBCL4066-2)が演奏者名を錯誤したものと思われます。それにしてもFavart様、いつもながらの細心のご注意に感服しました。

(蛇足ながらBBCL4048-2のブックレットの表紙でベートーヴェン/ピアノと管楽器の為の五重奏曲をホルン五重奏曲とあります。こちらの方はすぐ判る誤りです。)

ブレインのオールドバラ音楽祭の音源ではほかに、ブリテン「そして雨は降り続く」の1956年録音(BBC、BBCB8014-2、P1999)。以前キングから出ていた1956年のライヴ録音、ブリテン指揮オールドバラ音楽祭管弦楽団によるハイドン/第45番「告別」と第55番「校長先生」(KICC2320、P1993)がとても面白いホルンのソロを含んでいて結構達者なのですが、どう聴いてもデニス・ブレイン=ニール・サンダースのコンビの音とは思えません。 1月26日 夢中人

357.良い演奏と好きな演奏

name: Favart - 2003年01月25日 18時33分38秒

宮さん、ご返事が遅くなりすみません。
昨日、“腹風邪”でダウンし、今も朦朧とした状態です。(ポリーニ・プロジェクトも残念ながら聴けませんでした。)
バボラークのバッハ件、レコ芸の付録を聞いて私の印象をお話しした(254259)もので、もっとよく聴く必要があるかもしれません。私の方はホルンは門外漢でありまして、技術的なことはよくわかりません。ただ、バッハについては昔、クラシック音楽が好きになった時の入り口になったもので、思い入れは人一倍なのです。(ちなみに、フルート・ソナタロ短調が入り口でありました。)
レコ芸の評価は私はあまり気にしていません。というより、失礼ながらあまりあてにしていません。特に新人や有名でない演奏家の場合、当り障りのない批評になることが多く、私も過去に何回か「どうして?」と思ったことがあります。また、レコ芸が「特選」にしたとしても、それが自分(個々のリスナー)にとって「特選」になるかどうかは別のことになると思います。
「特選」であったとしても魅力を感じない演奏家はたくさんあります。私としては魅力を感じる演奏家を少しでも多く発見したいと思っているのですが。そういった意味で、このHPやThevetのHPは多くの方の貴重な感想やご意見を聞くことが出来、とても参考になります。


356.演奏家を好きになること

name: 夢中人 - 2003年01月25日 9時52分21秒

昨夜、絵を趣味とされる人と好きなアーチストについて語る機会がありました。ある画家を好きになるということは、その作品自体もさることながら、画家の人となりや生き方に共感する部分が多いかどうかである、というような話を伺いました。

私の演奏家に対する考え方と同じであることが大変面白く、考えてみれば人との出会いそのものも、最初は外見だけで判断したりしますが、付き合っていくうちにじわじわと判ってきますものね。

デニス・ブレインは、交通事故で亡くなったという悲劇性が第一にあげられますが、プロのホルン奏者の家系、ブレイン・ファミリーの3代目、軍楽隊と戦後の新しいオーケストラのスター・プレーヤーとしての活躍ぶり、アイデンティティーの強烈さなど語るに事欠かない人でした。それらを伝記などで知って心底好きになった訳です。

そんな意味で、ラデク・バボラークが今後どんな人生を歩むのかにも興味があります。

IHS『ホルン・コール』2001年5月号、バボラーク・インタビューの抜粋参照下さい。


355.バボラーク君

name: CATO - 2003年01月24日 21時20分18秒

馴れ馴れしい言い方?でも30前ですから許してもらおう。
バボラークはなれあいゴテゴテ無風の「批評家」諸氏にとって、久々の踏み絵でしょう。「準」で片付けるなんて、みんな賢いなあ。

本人は無意識を装いますが、プント以来のボヘミアの名ホルン奏者の流れを受け継ぐ彼が、歴史が繰り返されてヨーロッパの中央舞台で活躍することに昂ぶりを感じているに違いありません。

それほどの逸材であるにも拘らず、レコード芸術の評価は低かったですね。現在でも一部の室内楽曲でデニス・ブレインと比較できますが、やはりモーツァルトの協奏曲のレコーディングが待たれます。もちろんサイモン・ラトルとの協演となれば、伴奏を聴く二重の楽しみもあります。 夢中人

354.バボラーク再考

name: 宮さん - 2003年01月23日 22時17分03秒

 Favartさん、こちらこそはじめまして。いろいろと教えてください。60年代ロックについて語りだすとキリがないので、それはまた別の機会に譲るしかありません。(アニマルズ!)
 「レコ芸」2月号P55の方がFavartさんの書き込みを見たら、激怒するかもしれません。Favartさんも「レコ芸」を読まれているかもしれませんが、念のためその方の主旨を紹介すると、こういうことなのです。
 「バボラークのバッハが準推薦になっていたのには、驚きというよりひどく落胆した」と述べ、さらにその月評担当(濱田滋郎さんです)の姿勢を「早い(原文ママ)パッセージにばかりに気をとられ、豊かな表現と美しい音色にはまったく関心がないのだ。楽器そのものに共感をもつ人に書いて欲しいと思った」と痛烈に批判しています。
 論点は「豊かな表現と美しい音色」にあると思います。ということで、バボラークのバッハを聴き直してみたところ、そんなにメカニックには聴こえなかったのです。むしろ、「豊かな表現と美しい音色」もじゅうぶんに感じられる演奏でした。最終的にはFavartさんとは反対の見解となってしまいました。私の耳がまだ肥えていないのかもしれません。しかし、正直なところを書きました。難しいっす!


353.ポリーニ・プロジェクト2002他

name: Favart - 2003年01月22日 23時52分58秒

ポリーニ、LSO、RCOの放送が1/24(金)の夜、翌0:45〜翌5:00にNHK-BS2であります。教育テレビですでに放送されているようですが、(私を含めて)見逃した方、もう一度見たい方はお見逃しなく。RCOの主席フルートは美人フルーティストのエミリー・バイノンかもしれません。一昨年、講習会の後バイノンと一緒に酒を飲む機会があったのですが、都合により飲み会に参加できず、ほんとうに後悔しています。一生に一度のチャンスだったかも。人生、一期一会ですね。http://www.nhk.or.jp/hensei/genre/genre_0402.html
なつかしい、リゲティの「ロンターノ」も放送されます。どんな曲だったけな?
(昔、リゲティ、クセナキスのあたりは結構親しみました。)
宮さん、はじめまして。
Beach Boysがお好きとのこと、私も中学生のころBeach Boysを良く聴きました。
“I get around”など思い出の曲があります。当時(1960年代前半)、ビートルズ、アニマルズ、ローリングストーンズなどを良く聴いたものです。
バボラークについては良く知りませんが、バッハを少し聞いた限りでは、器械体操の演技を見ているようで、あまり興味が湧きませんでした。ホルンであの難曲を吹きこなせるのは並外れているかもしれませんが、音楽的な魅力って、テクニック以外のところにあるような気がします。


352.コピーガード

name: 夢中人 - 2003年01月22日 23時23分54秒

マイクロソフトによる音楽CD違法コピー防止ソフトウェア開発の新聞報道を読んで、笑ってしまいました。簡単にコピーできるようにしたのも、それを阻止しようとするのも同じ会社だなんて。なんか変。昔もカセットテープにコピーすることはできましたが、レコードの売上に深刻に響くようなことはなかった筈です。現在の業界は、CDは音質が劣化することなくコピー出来るからCDが売れないと考えていますね。じゃコピーガードしたらCDはもっと売れるのでしょうか。どっちみち売れないでしょう。そんなことよりも、コピーには真似のできない本物の企画制作にエネルギーを注ぐのがあるべき姿じゃないのかなあ。


351.クレンペラー〜レコ芸2月号〜バボラーク

name: 宮さん(仮面ライダー王蛇改め) - 2003年01月21日 23時27分17秒

CATOさんへ。「宮さん」だけでかまいません。私の方こそ「殿」とは失礼しました。ところで、「宇宙遺産」とまで言い切れるなんて、凄いですね。私にとっての「宇宙遺産」はBeach Boysの“Pet Sounds”かな?クレンペラーでは55年録音の「英雄」が愛聴盤でございます。
 夢中人さん、「レコ芸」最新号(2003年2月号)p66を拝見しました。私が「346」においてお願いしたのは、こんな感じのものだったのです。さすがです。しかし、「ブレインの録音アイテムは1600あまり」に卒倒。それにしても、このページに載っている方々って恐ろしい人たちばかりですね。尊敬します。
 ついでに、今月号の「レコ芸」のネタとしては、p55にもホルン愛好家の方が昨年買ったホルン関係のCDを紹介していてとても参考になります。この方は「レコ芸」のバボラーク評を批判しています。これは、賛否両論ありそうな気配。他にも、バボラークを1位に挙げている方がいて、私には意外でした。バボちゃんって、そんなにいいかね。


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