憧れのデニス・ブレイン

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770.アナログを聴きたしと思えど

name: CATO - 2004年05月21日 21時06分54秒

吾が部屋は余りに狭し。などと嘆息です。

私の部屋は本職関係の本よりも、それ以外の本が圧倒的に多く、しかも捨てられない性分なので、前に書いたベーム/ベルリンフィルの28,29番カプリングのLPも出せずじまいです。プレーヤーを置く場所がない。猫が飛び移った横積みの本が崩れて、猫がひっくり返る有様です。

時たま行く電機屋街の試聴室などで聞くLPの素晴らしさはよーく知っています。30年代のピアノ録音でも仰天の生生しさでした。でもしかし、多分アナログは夢で終わりそうです。夢中人さんが、儀式のようなと書かれていますが、CDをパソコンにコピーして、モーツアルト全交響曲のメヌエットのみ続けて聴くというCDの便利さは、音楽の、演奏家の有り難味を忘れた態度かもしれません。
結論はCD、LPどちらも捨てがたいが、CDしか今のところスペース上無理ということです。


769.コンセルトヘボウ管弦楽団

name: 夢中人 - 2004年05月21日 21時04分35秒

1974年、大阪フェスティバル・ホールでのアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団演奏会に行きました。シュトラウスが同楽団に捧げたと言われる「英雄の生涯」をやるというので事前に来日記念盤のレコードを買って予習したことを覚えています。

当時は知らなかったのですが首席ホルンはヤン・ボス Jan Bos でベイヌムの時代から38年間務めました。名盤として有名なブラームスの第1交響曲。1951年(Decca)、1958年(Philips)の両録音とも彼が吹いています。

ところで最近の朝の楽しみ。岩波文庫の「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」を1、2話読むこと。

ティルは人間の生理的な排出物をいつでも大量に放つことのできる怪人物(訳者は英雄と言います)ですが、シュトラウスが交響詩の冒頭で登場させたホルン・ソロのおしまいの音、3発(低いF、低いC、最も低いF)はそれら排出物のうちの一つを表現しているのではないかと思えてきました。


768.祝!夢中人さま・アナログ世界・再突入!!!

name: Favart - 2004年05月20日 23時37分09秒

おめでとうございます!
SP、モノラルLP、ステレオLP、EP、ソノシート・・・。アンテナを広げることで今まで聞けなかった音楽、音質にめぐり合えることは何よりの喜びと思います。
ガリエラの「新世界」、ブレイン絶好調のようですね。ガリエラ/POの録音はCD復刻されていないものが多いようです。
私の方は最近33CXのモーツァルトの協奏曲(カラヤン)を聴きました。これまではステレオ時代のモノラルLPとCDで聞いていましたが、33CXは素朴かつリアルな音質でした。ブレインの息遣いが聞こえそうです。
それにフサ/セント・ソリのブラームスの交響曲第1番(テヴェと確信しています)。第4楽章の一番目立つホルンのソロはややはぐらかされた感じ。聞いている方は「ここ一発」を期待しているのですが・・・。フランス人の感覚は一味違うのでしょう。けれども、他のところでちらっと吹く短いフレーズが何とも美しく「テヴェ節」の面目躍如。
CATOさんもアナログはいかがでしょうか。国内盤は100円〜300円、輸入盤の再発なら1000円くらいでしょうか。一番困るのは置き場所なのですが・・・。


767.LP

name: 坂本直樹 - 2004年05月19日 20時47分41秒

いよいよLPですか。
最近amazonで検索して、Archive Recordings of Live Performances, 1948 & 1952というCDを買いました。サーストンのクラリネット集なのですが、Fibich作曲の室内楽にブレインが参加しています。ざっと聞いたところ何か特別な曲というわけではありませんが、いつ聞いてもブレインの音には聞き入ってしまいます。


766.新世界交響曲

name: 夢中人 - 2004年05月19日 0時45分25秒

ゆかりのコンセルトヘボウの前でのブレインはまた格別の味わいだったでしょうね!Favartさん同様とてもうらやましく思います。

今日アナログの世界に飛び込みました。最初の1枚はアルチェオ・ガリエラ指揮フィルハーモニア管弦楽団の新世界交響曲です(LP、米Angel 35085、1953年10月録音)。竹内喜久雄さんが「コレクターの快楽」(1994年、洋泉社)でトップクラスの演奏として紹介して以来、いつかは聴いてみたいものと思い続けてきたものです。

レコード盤に針を下ろすまで、プレーヤーやカートリッジの調達から始まって、部屋のレイアウト変更、設置・配線からいくつかの調整を経てようやく再生まで辿り付きました。CDの簡便さとはまったく違う、ほとんど儀式のような数日間…。

木下さんやFavartさんからこれまで何度もアナログの素晴らしさをご教授頂き、体験させて頂きながら今日まで躊躇してきました。もっと早くすべきだったと今更ながら思っています。新世界は文字通りリスタートに相応しい曲でした。

ガリエラの指揮は素っ気無いですが、フィルハーモニア管弦楽団は素晴らしい正確さで機能します。第4楽章おしまい付近に1番ホルンのソロを受けて4本のホルンが最高音 E まで華々しく上昇する部分がありますがこんなに上から下まで鳴り切った演奏は初めてです。


765.オランダ。続き。

name: CATO - 2004年05月18日 3時53分01秒

こんな時間に目覚めています。

Favartさんが「オランダではどういうわけか音楽に結びつく思い出がありません」と書かれていますが、オランダには大作曲家がいませんね。コンセルトヘボウはアムステルダムで絵画文化に比較して音楽が弱いことが設立の一つのきっかけであったとガイドに書かれていました。確かにレンブラント、ゴッホ、モンドリアン級の音楽はオランダでは生まれていません。みんな、音楽家はドイツ、オーストリア、フランスへ行ってしまった?ベートーヴェンのルーツは名前の「van」に示されているように、オランダとか。とはいえ、今の国境の線引き自体で議論しても意味無いんでしょう。

丘らしきものさえない、延々と続く平坦な牧草畑に散らばる牛、羊、馬。たしか、司馬遼太郎の紀行に自前で干拓を延々と続けるオランダ魂の力強さのことがありましたが、農業がベースである国の安定が感じられました。祖先の遺産の平地に途方もない滑走路群をもち、今でも拡張中のスキポールも印象に強く残りました。

今度こそ(その頃は老年団体ご一行様の一人!)、ゆっくり遊びで行きたいです。


764.オランダの思い出

name: Favart - 2004年05月17日 23時29分14秒

CATOさん、オランダ出張とは!うらやましい。演奏会に行けなくて残念でしたね。
今ごろはチューリップはまだ早いのでしょうか?
実のところ、私も出張でオランダに行ったことがあります。パリではサル・ファヴァールに駆けつけましたが、オランダではどういうわけか音楽に結びつく思い出がありません。北海に面したノルドヴァイクの海辺のホテルに1泊しました。夕方、早めにホテルに到着し浜辺を散歩すると、犬を連れた大勢の人たちが散歩していて日本の海岸と全く同じです。少し違うのは砂浜に直径30〜40cmの巨大クラゲがたくさん打ちあげられていたこと(夏だったので)。アサリのような貝が同心円状の白黒シマシマ模様で外国風でした。
列車から眺めた田園風景はのどかですばらしかったです。風車も見えました(観光用?)。アムステルダムの運河、マドローダム、デルフト焼きの工場見学などなど記憶が蘇ります。出張の用件は別にあったわけですが・・・。


763.コンセルトヘボウで聴いたブレイン

name: CATO - 2004年05月16日 19時34分42秒

オランダ出張から今朝帰りました。
スケジュールとエコノミー往復はきついものでした。オランダは初めてでした。
さて、いくら疲れていようが、きっちりコンセルトヘボウだけはお参りに(聖地ですから)行く予定は立てていました。午後比較的仕事が早く終わる日は残念ながらオーケストラ演奏会は無い日で、建物と周辺の散歩でガマンしました。1ブロック離れた角のカフェテラスは、日本からの団体熟年ツアーご一行が占拠していました。
外観は改修なども重ねているんでしょうが、比較的新しい感じでした。ヨーロッパで1888〜などは赤ん坊で、当然ですが。回りを一周し、側面の楽屋入り口らしいところで、比較的磨り減っている感じの階段に足をおいて、過去出入りしたと思われる大家に思いを馳せていました(オタクやなあと苦笑いもしました)。
さて、出張にはブレイン/カラヤンのCDも持って行っており、ここで客演するはずであった彼の演奏を、広場の芝生に座り、音楽堂を見ながら鑑賞しました。数え切れないほど繰り返し聴いた曲ですが、胸が一杯になりました。
忘れがたい経験になりました。


762.英国空軍中央音楽隊

name: 夢中人 - 2004年05月08日 9時09分58秒

英国空軍中央音楽隊(ロサンジェルス市役所における式典にて)←1945年、米国演奏旅行中の英国空軍中央音楽隊(ロサンジェルス市役所における式典にて)

 デニス・ブレインが在籍した頃の英国空軍中央音楽隊(RAF)のメンバー表(65名)からパート別の内訳を…

Fl Pic 3, Ob 3, Es Cl 1, Solo Cl 5, 2nd Cl 4, 3rd Cl 4, Ripiano Cl 2, T.Sax 2, A.Sax 2, Bsn 2, Hr 6, Tpt 4, 1st Cornet 7, 2nd Cornet 4, Trb 6, Perc 4, Eup 3 Bass 3

クラリネットの1番はソロ・クラリネットと呼ばれ、コルネットはトランペット・パートと独立した重要なパートを担います。木管楽器28名、金管楽器33名、打楽器4名で一見金管が勝っているように見えますが、音の柔らかいホルン、ユーフォニアムが分厚くて丸みを帯びた響きを実現していたと想像します。

隊員は軍人ですので階級があり通常りパート・リーダーは伍長や軍曹ですがデニス・ブレインたちのようにいわば応召したプロの音楽家は Leading Aircraftsman という待遇を受けていました。

ロンドン交響楽団から来たバスーンのセシル・ジェームズ、トランペットにはビーチャムのロンドン・フィルハーモニックで首席だったローランド・ダイソンやハロルド・ジャクソン、トロンボーンのスタンリー・ブラウン、フルートのガレス・モリス、オーボエにはデニスの兄レナードもいました。

レパートリーはマーチはもちろんホルストの軍楽隊のための組曲など吹奏楽のためのオリジナル曲とロッシーニのウィリアム・テル序曲などオーケストラ曲の編曲物のほか、ときには弦楽器と合体して100名以上の交響楽団としても演奏しました。

その弦楽器奏者にはソリストがごろごろいてフレデリック・グリンケ、自分のカルテットを持っていたレナード・ハーシュ、ハリー・ブレックらのほか、マックス・サルプター、トム・カーターなど戦後フィルハーモニア管弦楽団に加わった人が大勢いました。

1944、45年にRAFが米国演奏旅行で演奏したバッハのトッカータとフーガニ短調は有名なギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団におけるような吹奏楽ではなく交響楽団による演奏だったようです。


761.モーツァルト交響曲全曲CD

name: CATO - 2004年05月04日 20時44分51秒

 ベーム/ベルリンフィルのモーツァルトの交響曲全集(ドイツグラモフォン 453 253-2)を最近買いました。録音は60年から69年。46曲入っています。聴きたかった28番から始めて繰り返して聴いています。28番第三楽章のホルンを久々に聴いて、一人悦に入る感じです。28番がめったに生で聴けないのが残念です。
 滑らかでうねるようで緩急自在な弦に溶け込む管、特にホルン。モーツァルトのシンフォニーはかくあらねばなどと論じる必要のない、まじめ派指揮者に応える正統派オケ。当分楽しめそうです。


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