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60.破棄されたPhilips録音原簿

name: 夢中人 - 2002年07月10日 21時51分58秒

サー・トーマス・ビーチャムデニス・ブレインがロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(RPO)に在籍した頃録音したレコードで詳細のはっきりとしないもの(17曲)があります。1954年4月に退団する直前の1953年12月、RPOでの最後の録音、これがまたしてもアメリカ・コロンビア(CBS)録音です!

場所はロンドンのウォルサムストウ・タウン・ホール、ヴァン・デル・ミューレンをバランス・エンジニアとするPhilipsチームが実際の録音にあたりました。

1. ベートーヴェン:コリオラン序曲 Philips ABL 3247
2. ベルリオーズ:テ・デウム LPO合唱団、アレキサンダー・ヤング Philips ABL 3006
3. ベルリオーズ:歌劇「トロイ人」より〈トロイ人の行進〉 Philips ABE 10020
4. ボッケリーニ:序曲ニ長調 Philips ABL 3247
5. ブラームス:悲劇的序曲作品81 Philips ABL 3247
6. ドヴォルザーク:交響的変奏曲作品78  Philips ABL 3047
7. マスネ:オラトリオ「聖処女」より〈聖処女の最後の眠り〉 Philips SBR 6215
8-10. メユール:歌劇「ティモレオン」序曲、同「にせの宝物」序曲、同「若きアンリの狩」序曲 Philips ABR 4056
11. モーツァルト:交響曲第35番ニ長調K.385「ハフナー」 未発売
12. シューベルト:交響曲第1番ニ長調D.82  Philips ABL 3001
13. シベリウス:「カレリア」組曲Op.11より〈行進曲風に〉 Philips SBR 6215
14. チャイコフスキー:組曲「くるみ割り人形」Op.71a Philips ABL 3247
15. チャイコフスキー:交響曲第2番ハ短調Op.17「小ロシア」 Philips ABL 3015
16. ワーグナー:舞台神聖祝典劇「パルジファル」より〈聖金曜日の音楽〉 Philips ABE 10184
17. ワーグナー:楽劇「神々の黄昏」より〈ジークフリートの葬送行進曲〉 Philips ABE 10016
(レコード番号の文字部分、最後LはLP、EはEPを示します)

曲目は晩年のビーチャム/RPO演奏会のプログラムと同様ごちゃ混ぜですが、他では聴けないメユールやワーグナーなどホルンが大活躍するものばかり。にも拘らずアメリカ・ビーチャム協会制作の演奏記録や1995年1月から1997年4月にかけてレコード芸術に連載されたディスコグラフィー(菅一&マイケル・H・グレイ制作)を見てもロンドンのPhilipsには録音原簿などの記録が全て破棄されているため、正確な日付がわからないとあります。

デニス・ブレインの演奏記録(Concert register)でも1953年の最後にまとめて掲載していましたら、ある方が1953年12月7、8、9、10、13、14、17、18日の8日間ですよ、と教えてくれました。

レコードは日本では一度も発売されたことがなく、ビーチャムの没後30周年でEMIがエディションを出した際、わずか2曲(くるみ割り人形とカレリア)のみCBSの好意という形でCD化されました(EMI CDM 7 63380 2、CDM 7 63397 2、P1990)。原簿は失われましたが、録音テープは存在しているようです。


59.ビーチャム「謎」のCBS録音

name: 夢中人 - 2002年07月10日 0時31分32秒

レコード芸術1992年5月号海外CD新譜案内で三浦淳史さんがビーチャムのディーリアスのCD(独ソニークラシカル MPK 47680)について述べられています。

「1930年代からもっぱらEMIにディーリアスを録音してきたサー・トーマス・ビーチャムが、なぜその晩年にディーリアスの重要な作品集をCBSにLP4点(*)5枚分録音したのか、その経緯は定かではない。1973年にホルストの生誕地である、あの美しい市チェルトナムのこざっぱりとして小さなレコード店でビーチャム/RPOの〈夜想曲「パリ」―大都会の歌〉と〈アパラチア〉の2枚のLPを見つけ、それがCBS録音だったのにびっくりしたのを覚えている。しかも、1.41ポンドという廉価盤で今も手もとにある。発行年が1973とあるだけで録音データは何一つ記載されていない。今年CD化された、このディスクは73年にLP化された4点のうちの一つである。(中略)最も驚いたのは、ビーチャム(おそらく)最後の録音である1958年2月録音の〈ハッサン〉の音がアンイーヴン(等質でなく、むらのある)なことで ―ビーチャムは1961年3月8日、82歳の誕生日を目前にして卒然と逝った― 現在2枚のCDになっているビーチャムのEMIステレオ録音の美しさとは比すべくもない。しかも「モノ」である。謎は深まるばかりである。

しかし、録音状態がどうあろうとも、ビーチャム晩年のCBS録音は、われらディーリアンにとっては「マスト(必携)」であり、実に貴重なドキュメントである。〈ハッサン:サマルカンドへの黄金の旅〉の付随音楽にしても、全11曲も入っているのは、このディスクだけである。あの有名な《セレナード》がvnソロとvaソロで2回聴ける。高潮してゆくヴォーカルに高音のヴァイオリンが金糸銀糸のように絡み合う《終幕の場》なども、ビーチャムならではの醍醐味である。

名作〈海流〉ではビーチャムのお名指しでしばしばディーリアスのソロを歌ったというブルース・ボイスのバリトンが30歳代の素晴らしい輝きをきかせる。この人、1910年ロンドンの生まれだが、カナダはオンタリオ州のロンドンで、英京ロンドンに永住し、1956年にRAMの声楽教授になった。ビーチャムはホイットマンの愛した大洋を背景にかなでられるディーリアスの生と死と愛のドラマに肉体を与え、生命力を沸き立たせている。ディーリアスをひたすら世紀末の薄明の頽唐(たいとう)詩人と見なすのは、大いなる錯誤である。ビーチャムによって甦らされた、このヴァイタリティはどうだ…。

ビーチャム�狷罩瓩�CBS録音には、既出の曲目のほか、大作〈人生のミサ〉がある。これもぜひCD化してほしいものだ。他に歌劇〈コアンガ〉終幕の場や〈北国のスケッチ〉など垂涎(すいぜん)の曲ばかりだ。」

三浦さんのディーリアスやビーチャムに対する思い入れがひしひしと伝わってくる名文章です。私はこんな三浦さんの文章を読んでイギリスの音楽や演奏家を好きになりました。

(*)LP4枚の明細
CBS 61182/3
人生のミサ(録音1952.11.6〜1953.5.14)

CBS 61224
海流(録音1954.12.2&3)
ハッサン(録音1955.2.3〜1956.10.15)

CBS 61271
歌劇「コアンガ」終幕の場(録音1951.1.26)
エヴェンテュール(むかしむかし)(録音1951.1.12&1951.4.3.)
夜想曲「パリ」―大都会の歌(録音1955秋)

CBS 61354
北国のスケッチ(録音1949.2.14)
アパラチア(録音1952.10.29、1952.11.6&7、1952.12.13&18)

いずれもサー・トーマス・ビーチャム指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団で、1953年までの録音ではデニス・ブレインがソロを吹いています。既に天国に逝かれた三浦さんも、上記文章の最後でCD化を熱望された曲目が、昨年(2001年)Sony Classical U.K.から発売(SMK 89429、SMK 89430、SM2K 89432)されたことを殊のほか喜ばれていることと思います。


58.当たり外れ

name: Favart - 2002年07月10日 0時11分20秒

カンテッリの「亡き王女のためのパヴァーヌ」は夢中人様が聴いても「いまいち」とのお話で残念です。DBが良い指揮者のもとで絶好調の演奏を残してほしかった。このレコードは結局、店頭で試聴して納得できず購入しませんでした。名演奏家でも録音の当たり外れはありますね。
ところで、M.J.プラウズのディスコグラフィーの中で私はバッハのロ短調ミサ曲を聴いてみたいと思います。たしか、ホルンの聴かせどころがあったと思います。DBがどんな演奏をしているか興味津々です。蘇るDBのブランデンブルクで良い演奏をしているから、こちらもそうであってほしい。指揮はカラヤンだけれど、PO時代は良い演奏をしていたであろうと勝手に想像しています。

Favart様 カンテッリとフィルハーモニアは、その後成長し続けました。モーツァルトの29番やベートーヴェンの第7などステレオになってからの録音は、彼らが蜜月時代にあったことを示す証です。中でもモーツァルトの「音楽の冗談」は聴きものです。通常の場合でしたら2本のホルンが不協和音を面白可笑しく鳴らして笑いを誘いますが、このコンビの演奏はチョット違います。私は楽しくあるべき筈の音楽がデニス・ブレインとニール・サンダースのホルンで崩れさって行く恐ろしい光景を感じます。凄い演奏だと思います。ロ短調ミサ曲!素晴らしいですね。わが国では最初にミュンヘン・バッハ管弦楽団とやってきたヘルマン・バウマンがクオニアムのソロを見事に吹いたことが有名です。私はこのソロが如何に難しいかをBBC legendの第1回発売のボイド・ニール盤(1951年BBC放送)で知りました。CDはキャスリン・フェリアーが唱っているからこそ価値があるのでしょうが、クオニアムのジョン・バーデン(LSO首席奏者)のソロは聴くも無残な出来でした。デニス・ブレインならこんなことはあるまいて、と思います。 7月10日 夢中人

57.カンテッリ指揮/POの「亡き王女のためのパヴァーヌ」

name: Favart - 2002年07月08日 22時32分21秒

のことを夢中人様に聞きたいと思っていた矢先、それを見通したような夢中人さまの書き込みにびっくりしました!たまたまレコード店にてこれを見つけ、「DBかな?」と思い聴いてみました。10インチ盤でしたが、演奏がどうもよろしくない。音程が妙に低い気がしました。(プレス・ミス?)「DBではないな。二流の奏者だな。」と思いましたが、きょうHPを見てみると裏を返すような書き込みでした。もし、夢中人様がこの録音を聴いていらっしゃれば、感想をお聴きかせください。レコード・プレーヤーあるいは私の耳ががおかしかったかな?という気もしますが・・・。

Favart様、とても良いレコードをお持ちですね。レコードで聴くヴェスコーヴォやブレインもまた格別な味わいではと推測しています。ペティットが書いた伝記の筆致のせいかもしれませんが、パヴァーヌを録音した1952年当時、イタリアからやってきた若いカンテッリに対し、フィルハーモニアの楽員達は全幅の信頼を置いていなかった、悪く言うと田舎者のように思っていたようです。カンテッリは完璧主義者で、リハーサルを何度も最初から繰り返し要求したものですから、デニス・ブレインもしまいには「もう沢山だ Never again!」と漏らした程です。そんな訳で私が聴いても、どこか気乗りのしない、よそよそし気な演奏になったのは、とても残念です。やはり「亡き王女のためのパヴァーヌ」は千両役者ルシアン・テヴェによるファンタジックなソシエテ盤にかなうものはないと思いますね。M.J.プラウズのディスコグラフィーの中の私の最近のお気に入りは、ディーリアスの「アパラチア」(Sony Classical UK SMK 89429、P2001)です。デニス・ブレインが西部劇に出てくるような旋律をとても上手に吹いています。 7月9日 夢中人

56.ディスコグラフィー by マーティン・J・プラウズ

name: 夢中人 - 2002年07月08日 21時34分30秒

マーティン・J・プラウズ「未知なるデニス・ブレイン」(1969年10月オーディオ・レコード・レビュー掲載)に付けられたディスコグラフィーです。筆者自ら完璧ではないと注釈されていますが、大いなる指針となったものです。

オーブリー・ブレイン
メンデルスゾーン:ノクターン(真夏の夜の夢)BBC交響楽団/ボールト HMV DA1318
モーツァルト:協奏曲第2番、K417 ロイヤル交響楽団/バッテン(1927) Edison Bell X508/9
シュトラウス:ティル・オイレンシュピーゲル BBC交響楽団/ブッシュ HMV DB2187/8
ブラームス:ホルン三重奏曲、作品40 A.ブッシュ、R.ゼルキン COLH41
バッハ:ブランデンブルグ協奏曲第1番 A.ブッシュ室内管弦楽団 COLC13
シューベルト:八重奏曲ヘ長調、作品166 Columbia L2108-2113
ワーグナー(H.ウッド編):ラインの娘たちの歌 クイーンズ・ホール/ヘンリー・ウッド Decca K765/6

デニス・ブレイン
モーツァルト:四つのホルン協奏曲 フィルハーモニア/カラヤン Columbia 33CX1140
シュトラウス:2つのホルン協奏曲 フィルハーモニア/サヴァリッシュ Columbia 33CX1491
ヒンデミット:ホルン協奏曲 フィルハーモニア/ヒンデミット Columbia 33CX1676
ベートーヴェン:ホルンとピアノのためのソナタ D.マシューズ(1944) (SEB 3514)HQM 1033
ブリテン:セレナード ピアーズ/新交響楽団/グーセンス Decca ECM507、(S)ECS507
チャイコフスキー:交響曲第5番 フィルハーモニア/カラヤン Columbia 33CX1133
ベートーヴェン:交響曲第6番 フィルハーモニア/カラヤン Columbia 33CX1124
メンデルスゾーン:ノクターン(真夏の夜の夢) フィルハーモニア/クレツキ Columbia(33CX 1174)、XLP30025
モーツァルト:協奏曲第2番、K417 フィルハーモニア/ジュスキント(1946) HQM 1033
シュトラウス:ティル・オイレンシュピーゲル フィルハーモニア/カラヤン 33CX1001
ブルックナー:交響曲第4番 フィルハーモニア/マタチッチ Columbia 33CX1274/5
ベートーヴェン:おお、不実なる者よ(フィデリオ) E.シュワルツコップ/フィルハーモニア/カラヤン Columbia 33CX1266
ベートーヴェン:交響曲第3番 フィルハーモニア/クレンペラー Columbia 33CX1346
シュトラウス:薔薇の騎士 フィルハーモニア/カラヤン Columbia 3CX1492-5
メユール:若きアンリの狩 RPO/ビーチャム ABE 10042
ボロディン:交響曲第2番  フィルハーモニア/マルコ  (CLP1075) XLP30010
デュカ:ヴィラネル G.ムーア(1952) HQM 1033
ロッシーニ:序曲「結婚手形」 RPO/ビーチャム CFE 15005
シュトラウス:協奏曲第1番 フィルハーモニア/ガリエラ Columbia DX 1397/8
ブリテン:セレナード ピアーズ/ボイド・ニール管弦楽団/ブリテン Decca K1151-3
ベートーヴェン:六重奏曲作品81b A.シヴィル BBC放送(57/2/18)
モーツァルト:協奏交響曲K297b フィルハーモニア/カラヤン Columbia 33CX1178
ドヴォルザーク:管楽器のためのセレナード作品44 ロンドン・バロック・アンサンブル/ハース  (PMB1001) XLP30011
ハイドン:交響曲第40番 RPO/ビーチャム 7ER5093
モーツァルト:ディヴェルティメント第15番K.287 フィルハーモニア/カラヤン Columbia 33CX1511
ハイドン:われを哀れみたまえ ゴールズバラ管弦楽団/マッケラス BBC放送(1956/12/17)
ヘンデル:2本のホルン、オーボエ、バスーンのためのアリア ロンドン・バロック・アンサンブル/ハース Parlophone R.20617
シベリウス:交響曲第5番 フィルハーモニア/カラヤン Columbia 33CX1047
ディーリアス:アパラチア RPO/ビーチャム Columbia 33CX1112
バッハ:ミサ曲ロ短調 フィルハーモニア/カラヤン Columbia 33CX1121-3
コダーイ:間奏曲(ハーリ・ヤーノシュ) フィルハーモニア/カラヤン Columbia 33CX1265、フィルハーモニア/シュヒター  (PMC 1017) MFP2042
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ フィルハーモニア/カンテルリ  (ALP 1207) XLP30092
シュトラウス:町人貴族 RPO/ビーチャム HMV D.B.9416-8
モーツァルト:コシ・ファン・トゥッテ フィルハーモニア/カラヤン Columbia 33CX1264-4
シュトラウス:ナクソス島のアリアドネ フィルハーモニア/カラヤン Columbia 33CX1292-4
マレ:バスク人 W.パリィ BBC放送(1957エディンバラ音楽祭)
シューベルト:流れの上で R.ルイス、W.パリィ BBC放送
モーツァルト:断章ホ長調 BBC放送(1955)


55.見ました

name: CATO - 2002年07月04日 20時39分17秒

今日三宮からの帰り、駅近くのビル一階のレコード店に、白いブレイン自主制作版を発見。私は今クレンペラーの廉価版を集めていて、モーツアルトのグランパルティータを求めた時のレジで。
「アッ、ここでも売ってはるんやね」と普段内気な自分が、マスターに声をかけてしまいました。 ドンドン売れますように。

CATOさん、毎度ありがとうさんでございます。三宮界隈(特に北口ドトールなど)は毎日ウロウロしています。いつのまにか接近遭遇しているのかもしれませんね。夢中人

54.ヘンデルの水上の音楽

name: Favart - 2002年07月03日 22時43分03秒

のことを以前から夢中人様に聞きたいと思っていた矢先、夢中人さまのそれを見通したような書き込みにびっくりしました。カラヤン指揮の演奏が残っているとのこと、是非聴いてみたいと思います。カラヤン以外の録音は残っていないのでしょうか?できれば、小編成の室内管弦楽団でブレインの音がビンビン聞こえるとよいのですが・・・。(パイヤール版ナヴァッセも聴いてみたいです。)
ロンドンにもまた行きたいですね。私はロンドン市内よりロンドンの近郊の田園風景が気に入っています。6月に行きましたが緑がほんとうに美しかった!

Favart様 デニス・ブレインの「水上の音楽」は、BBCの講話「初期のホルン」で一部を吹いている記録がありますがその部分を以前BBCがLP化する際に誤って消去してしまいました。「王宮と花火の音楽」でしたらサージェント/ナショナル交響楽団のDECCA盤(1946年2月5日録音、K1414-15)があり是非聴いてみたいと思っています。夢中人

53.4番奏者の水上の音楽

name: 大山幸彦 - 2002年07月03日 20時45分15秒

ソシエテで4番を吹いていたロベール・ナヴァッセがソロを吹いた「水上の音楽」がパイヤール版であります。その数年後にはガルサンーマルーの版もでますが、ナヴァッセの方が素晴らしい。パリ管に残ってもセルメルを吹きつづけた侍です。


52.夏、イギリス、水上の音楽。

name: 夢中人 - 2002年07月03日 9時18分49秒

1950年エディンバラ音楽祭、花火フィナーレサー・トーマス・ビーチャムがヘンデル(1685-1759)を得意としているのに、その代表曲「水上の音楽」と「王宮の花火の音楽」をデニス・ブレインと録音しなかったのは不思議というか残念でした。ただ一度だけ1950年9月9日エディンバラ音楽祭で「王宮の花火の音楽」をライトアップしたエディンバラ・エスプラネード城で演奏した記録があります。ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団のほか、ロイヤル・スコッチ・グレイズ・バンド、第9クイーンズ・ロイヤル・ランサーズ・バンド、ロイヤル・スコッチ・バンド、ハイランド・ライト・インファントリー・バンド、ライフ・ガーズ・バンドといった大吹奏楽団と数門の大砲を使いましたので、さぞかし壮麗な演奏会だったことと思います。

ヘルベルト・フォン・カラヤンは「水上の音楽」にご執心で、1951年11月30日、12月1日、フィルハーモニアと録音を行いますが満足せず、翌1952年4月26日と7月31日に再度行いました。カラヤンは余程気に入っていて、1952年のヨーロッパ・ツアーや1955年の米国ツアーでもプログラムに取り上げました。聴き所は4本のホルンが大活躍する最初のアレグロと、デニス・ブレインの素晴らしいソロでしっとりと終わる第2曲のエアー(EMI、CMS 763464 2、P1990)。

ヘンデルは、ドイツ、ハノーファー選帝侯ゲオルグ・ルートヴィヒの宮廷楽長でしたが、休暇で来たロンドンに居付いてしまい、再三の帰国命令を無視しました。その4年後、なんとその選帝侯がイギリス国王ジョージ一世としてやってきた、というなんともヤバいことになりました。ヘンデルは国王の勘気を解くために、その川遊びに合わせて演奏したのがこの「水上の音楽」。

ロンドンはテムズ川。いまでもチャリング・クロス桟橋から出る観光船。遠くセント・ポール寺院を望みながら、幾つも架かる橋の名前を言い当てたり、行き交う船に手を振る光景はヘンデルが「水上の音楽」を奏した頃とさして変わりはないかもしれません。嗚呼、またロンドンに行きたい!


51.天上から降りそそぐホルンの響き

name: Favart - 2002年06月29日 21時22分17秒

はじめまして。テヴェのHPではいろいろ教えていただき、ありがとうございます。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。それにしても、すごいHPですね。内容豊富でなかなか全部読めません(笑)。
ところで、先週の日曜日に山野楽器銀座店にて「蘇るDB」をようやく手に入れました。お店の関心を高めるために通販でなくコルソ店から銀座店に取り寄せて購入しました。こんな宝物のようなCDを店に置かず、どうでもよいCDをたくさん並べ立てているのは残念なことです。
CDの方はすばらしいものでした。SP盤の復刻とのことで音質に不安がありましたが、完璧な出来でした。SP盤をCDに復刻する場合、ノイズ・リダクションを使用することで音楽が死んでしまうケースが多いと思います。(それがいやで私はSPも聴いています。)「蘇るDB」では十分に音楽が再現できていると思います。ノイズ・リダクションを使用しなかったことが正解だったと思います。LP盤やデジタル録音のCDよりも臨場感があると思います。ステレオ録音やデジタル録音ではマイクを多用する上に、ミキシングや編集で本来の音像が損なわれることがままあると思います。
そして、音楽の方も格調が高くすばらしい演奏でした。特にバッハは奥ゆかしい演奏で、久々にバッハの音楽を満喫しました。ホルンの音は天上(神の国)から降り注ぐような、たとえ様のない美しい響きに聞こえました。
私の方はホルンについては全くの素人でラウーの何たるかは分りません。今後さらに耳を磨こうと思います。
夢中人さまに質問なのです。ワルター・ジェスキント/POのモーツァルト/協奏曲第2番のレコード(EMIのHQM1033)には録音が1946年3月と書かれていますが、夢中人さまの年譜では1946年5/27となっています。CDの「魔弾の射手」序曲が、1946年3月なのでモーツァルトと同時に録音したのかと私は推測してしまいますが、この違いはRobert L Mershallのディスコグラフィーによるものなのでしょうか。ブレインのいない演奏を区別してある本があるとは・・・!

Favart様 CDをお求めいただきましてありがとうございました。また側面からご支援頂戴しまして大変感謝しています。「蘇るデニス・ブレイン」は、木下直人さんをはじめ失われた古き良き大切なものを愛する人々の努力の結晶に違いなく、そういった意味で一人でも多くの方に聴いていただければと思っています。ジェスキント盤の録音年月日は、私がMarをMayに読み違えました!深くお詫びして訂正いたします。ブレインとテヴェは、同じ時代に活躍しながら、スタイルがまったく違っていますが、ラウーという楽器を唯一接点としています。少なくともブレインは、テヴェのことをかなり意識していたようで、もしPaxmanホルン店がブレインのラウー改造(F→B♭、3番ピストンを上昇管に)に成功していれば、ホルン演奏の歴史は変わっていたのではないか、というのが最近の持論です。今後ともテヴェのページ同様ブレインのページをよろしくお願いいたします。 6月30日 夢中人

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