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110.集めたり夜想曲

name: 夢中人 - 2002年08月31日 0時04分53秒

ケルのSPレコード・リストは、メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」〜夜想曲であってもちゃんとソロを吹くホルン奏者の名前を(調べて?)書き込んでいるのが凄い。それがまたいろいろとインスピレーションを与えてくれます。ホルン奏者、オーケストラ、指揮者の順で列記します。

アルフレッド・ハーツ Alfred Herz/サンフランシスコ交響楽団/ワルター・A・ホーニグ
Victrola 6675/78(1927.4.11&12)

オーブリー・ブレイン/BBC交響楽団/エードリアン・ボールト
HMV DA 1818

同?/ロイヤル・アルバート・ホール管弦楽団/ランドン・ロナルド
HMV D 152(1912.12.12)

オスカー・シューマン?/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/レオ・ブレッヒ
Schallplatte Grammophon 68516(1918)

同/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/エーリッヒ・クライバー
Polydor 66850(C1928)

チャールズ・グレゴリー/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団/トーマス・ビーチャム
Columbia LX 574(1936.10.6)

フレッド・W・サ ーケルド Salkeld/パレス管弦楽団(ロンドン)/ハーマン・フィンク
Odeon 66716/66718

ブルーノ・ジーニック/ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団/アルトゥーロ・トスカニーニ
Polydor 595.008(1926.1.26)

モーリス・ヴァン・プラーグ Praag/ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団々員/ヘンリー・ヘッドリー
Music Education Series G 46(1925)

ヤン・ボス Jan Bos/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団/エドワルド・ヴァン・ベイヌム
DECCA K 1768

コンセール・コロンヌ/ガブリエル・ピエルネ Odeon 123.746/747 は未記入。

ともかくケルの収集の徹底ぶりを感じて頂けたでしょうか。


109.コペンハーゲン

name: Favart - 2002年08月30日 0時27分13秒

でMoyseがイベールのコンチェルトを初演したことは、「モイーズとの対話」(高橋利夫、昭和53年、全音楽譜出版社)に書いてあります。(この本が出版された時、飛びつくように購入したのをきのうのように覚えています。今でも初版と同じ表紙で売っています。)
---先生に献呈されたいくつかのフルートの曲の中にイベールのコンチェルトがありますね?「そうそう、あの曲はコペンハーゲンで初演した。指揮者はポール・パレーだった。あのときは大変だったよ。私が新しいスコアを受け取ったのは初演のたった7日前だったのだよ。あの通りの大曲だ。曲を解釈しながら1楽章から、どんどんと暗譜しなければならなかった。パリからコペンハーゲンまでルイが猛スピードで飛ばした。その車の中でも解釈を続け、コペンハーゲンに着くまでに完全に暗譜した。何しろ私たちが着いたのは演奏会の当日の本稽古の寸前だったからね。待っている方でも一体どうなることかと気をもんでいただろうね。とにかくそのコンチェルトの初演は大成功だった。・・・」
とのことであります。
Danacordの組み物のレコードは少し前にレコード店でみかけましたが、例によって高かったので買いませんでした。勇気をだして買えばよかったかな。・・・Thevetのモーツァルトの協奏曲(1枚)よりは全然安かったのです。


108.にわかDKかぶれ

name: 夢中人 - 2002年08月30日 0時03分30秒

の夢中人です。なにしろ最近まではデーニッシュと言えばパン位しか頭に浮かばなかったのが、派手さはないけれども実のあるお国ぶりに触れてすぐにハマりました。旗は白地に赤十字はイングランド、赤地に白十字がデンマークかフムフム、てな具合です。

KAZUさんの聴きたい病は夢中人がトクと伺っておきます。今すぐにという訳にはいきませんが、いつか必ず。パヴァーヌは1962年録音が絶対盤と信じてきましたが、上には上があるのですね。先だってTestamentから出たクリュイタンスのセットにも入らなかったのは残念です。

ICRC1999年夏季号、ヘンリク・エンゲルブレヒトによるマルセル・モイーズ特集「魔法のフルート吹き」に次のような記事を見つけました。

「・・・これら(ブランデンブルグ協奏曲)くじけるような作品の中で特にマルセル・モイーズのために書かれたのがジャック・イベールの協奏曲。モーツァルトを除いてフルートは、大作曲家に協奏曲に相応しいとみなされなかった。でオーケストラとソリストとして演奏するフルート奏者は同じ一握りの作品を何度も何度も吹く。最も有名なものの一つがイベールのもので、ふつうモイーズによって1934年2月25日、パリでゴーベールの指揮で初演された、と言われる。しかし実際モイーズは約2ヶ月も早く初演した。彼はその難しい協奏曲をパリの聴衆と批評家から安全な距離にあるコペンハーゲンで試すことが出来た。かくて1934年1月4日、イベールの協奏曲はポール・パレー指揮デンマーク放送交響楽団によるオール・フランス音楽プログラムで初演された。モイーズは、休憩を挟んで後半のゴーベール「ノクターンとアレグロ・スケルツァンド」のソロ・フルートでも登場した。この演奏は、Frederik Heegaard が録音して、その後デンマーク放送(DR)の技術部に託された。また Heegaard は、ライヴ録音に関して契約が一切無く、すべて生放送で行わねばならないような状況でも、一時放送から密かに録音を行っていた。まさにその手の行為は犯罪だった。Heegaard の冒険的企ては、2枚組LPで発売され(Danacord DACO134/8)、その1枚にはモイーズが1906年音楽院で一等賞を獲ったゴーベールのノクターンが入っている。ところが悲しきかな、イベールの協奏曲の初演は入っていない。のちにモイーズは作品を1935年12月2日パリで、ウージェーヌ・ビゴーの指揮で録音した・・・」

Favart様、録るも録ったり、出すも出したりあっぱれな(?)話ではないでしょうか。



107.UK7月新譜

name: 夢中人 - 2002年08月29日 20時44分15秒

ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/サー・トーマス・ビーチャムの強力新譜が3点。

Sony Classicalに感謝

ベートーヴェン/交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
1951年12月20日、21日録音
同/序曲「コリオラン」
1953年12月録音
SMK 89887

同/交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」
1951年12月7、15、18、19日、1952年5月5日録音
同/交響曲第8番ヘ長調作品93
1951年5月18日録音
SMK 89888

またBBCから BBCL 4099-2 第2交響曲ふたつ(ブラームス、ベートーヴェン)も出ました。が、デニス・ブレインはエディンバラ、アッシャー・ホールでのエキサイティングなブラームス(1956年8月20日)には参加していないようです。じゃベートーヴェン(同年12月23日、BBCスタジオ)はどうでしょう?第2楽章ラルゲットで第1ホルンが音を外すところが、スティーヴン・ペティット、山田淳さん訳の伝記214ページに符号するのですが・・・。


106.Danish Radio Symphony Orchestra

name: Favart - 2002年08月28日 23時52分15秒

のニールセンのフルート協奏曲のレコードを早速聴いてみました。フルートのソロのバックでホルンのきれいなソロが聴こえました(1958年〜1959年のライヴ録音、Danacord Daco 155MONO)。Michelsen でしょうかね?Ingbert Michelsen (1917-1991) と同じ年に生まれたフルート奏者Poul Birkelundは1943年から1967年までDRSOに在籍し、1944年からは主席フルート奏者を務めていました。Michelsen とともに演奏する機会が多かったのではないかと思います。このBirkelundはパリでM.Moyseに習っていて、このレコードに入っているフルート協奏曲を聴くと、なるほどと思います。M.MoyseもDRSOとライヴ録音を残していますが、1934年のことなので、このときはMichelsen、BirkelundともにまだDRSOにいなかったことでしょう。
「コッポラ/グラモフォンのパヴァーヌ」を私も聴いてみました。テンポが流動的ですが、古きよき時代の演奏なのでしょう。[1927.10.14,GRAMOPHONE W871(CTR 3200-1)のCD]


105.北欧、ホルンの父

name: 夢中人 - 2002年08月28日 22時05分25秒

8月半ばのデンマーク。訪れた街は、海沿いにあるために湿度もかなり高く感じられて、日中暑いのは日本と同じ。ただし遅い日没後、ストンと気温が下がりますので、夜はとても爽やか。

国土は半島と島から成っていますが、現在は橋が架かっていています。ですから島にあるコペンハーゲンから半島側、例えばアンデルセンの生誕地オーデンセや、隣国スウェーデン第3の都会マルモにも列車で行けます。地形は平坦で車窓からはイギリスと同じような田園風景が広がります。街の建物は多くが昔からのものを再構築したもので、高層建築は全くと言ってよい程ありません。

言語はデンマーク語ですが私のような外国人には英語で喋ります。でも先方もペラペラではないので丁度良い按配です。食べ物はソーセージやハムなどの豚製品。魚。それらをオープンサンドにて食します。乾杯は「スコール!」。お土産はお菓子とロイヤル・コペンハーゲン(手書き絵皿、フィギュア)がよろしいです。

コペンハーゲンには国立のフィルハーモニーもありますが、元気なのはデンマーク放送交響楽団(DR)。イングベルト・ミケルセン Ingbert Michelsen (1917-1991) は、その首席奏者、室内楽奏者、またコペンハーゲン音楽院の教授として尊敬されました。

ノルウェー生まれのケルは、子供の頃ラジオから流れるミケルセンのソロに心を奪われました。とにかく凄いテクニックと美しい音色だったといいます。お兄さんがコペンハーゲンでミケルセンにホルンを習っていた関係もあって、遂には自分もやって来ました。

ケルのSPレコード・リストにはもちろんミケルセンの項目があります。

ベートーヴェン/7重奏曲変ホ長調作品10
Columbia LDX 700610

ホルンボー/管楽器の為のノットゥルノ作品41(1932)
HMV DA 5258/59(1947.10.17)

モーツァルト/ディヴェルティメント第12番変ホ長調、K.252
Columbia DX 1872

モーツァルト/ディヴェルティメント変ロ長調、K.270
HMV DA 5260/61(1947.10.19)

 スカンジナヴィアで「ホルンの父」と尊敬されているもう一人がスウェーデンのウィルヘルム・ランスキー・オットー(1909-1991)。息子のイブ・ランスキー・オットーも1960年代、ストックホルム・フィルハーモニーの首席ホルンで活躍。シッセさんによると、イブは酒は一滴も飲まないが、ともかく沢山食べるのであんなに太っている。賑やかにお喋りをして子供を可愛がる、とのこと。彼のシュトラウスの2番のLPレコードを聴かせて頂きましたが、とてもおおらかな演奏で好感触でした。


104.おおっ!その2

name: KAZU@支店長 - 2002年08月27日 23時09分28秒

コッポラ/グラモフォンのソリストはクレジットされていませんが、音を聞く限りドゥヴェミ氏と思われます。クリュイタンス/ソシエテの50年パヴァーヌは62年の演奏よりテンポ設定が適切で、演奏内容としては上だと思うのですが、やはり同一指揮者のステレオ録音があるせいで復刻されていません。コロンヌは未聴なのでぜひ聞いてみたいですね。

デフォー/ブリュッセルのティルも気になりますね。テオ・マイという奏者は私は知らなかったのですが、他のメンバーを見る限りフレンチスタイルの可能性大ですね。どなたかご存知でしたらご教示ください。


103.ティルとパヴァーヌへの愛

name: 夢中人 - 2002年08月27日 22時05分09秒

ケルのSPレコード・リストを見ているとリヒャルト・シュトラウスの交響詩「ティル・オイレン・シュピーゲルの愉快な悪戯」とラヴェルの「亡き王女の為のパヴァーヌ」への(偏?)愛が感じられます。自分にも良く判ります。

ティル・オイレン・シュピーゲルの愉快な悪戯

BBC交響楽団/(指揮、以下同様)フリッツ・ブッシュ
(ソロ・ホルン、以下同様)オーブリー・ブレイン
HMV DB 2187/88

フィルハーモニア管弦楽団/ヘルベルト・フォン・カラヤン
デニス・ブレイン
Columbia LX 8908/09(1951.12.4)

ブリュッセル音楽院管弦楽団/デジレ・デフォー
テオ・マイ(Theo Mahy)(+ユベール・デュボア、エドモン・ルロワール)
Columbia D 15013/14(1928.6.15&16)

ロンドン交響楽団/アルバート・コーツ
HMV D 608/9(1921.11.4)

亡き王女の為のパヴァーヌ

グラモフォン交響楽団/ピエロ・コッポラ
HMV D 1564(1927.10.14)

コロンヌ芸術協会管弦楽団/ガブリエル・ピエルネ
Odeon 123.617(1929)

ニュー・クイーンズ・ホール・ライト・オーケストラ/フランク・ブリッジ
Columbia L 1605(1924/25)

パリ音楽院管弦楽団/シャルル・ミュンシュ
ルシアン・テヴェ
Columbia W 1557/8

パリ音楽院管弦楽団/アンドレ・クリュイタンス
ルシアン・テヴェ
Pathe PD 116(1950)

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/アルベール・ウォルフ
オスカー・シューマン?
Polydor 66726(P1927)

ボストン交響楽団/セルゲイ・クーセヴィツキー
HMV DB 6699

リストは勿論アルファベット順になっていますが、夢中人は極めて自分本位の眺め方をしています。この調子でもうちょっと続くかもしれません。ご了解下さい!



102.おおっ!

name: KAZU@支店長 - 2002年08月27日 21時44分16秒

こんなときだけしゃしゃり出てくるコル吹きです。
ヴィエルモのソロが録音されていたとは!ラルゲット、ロマンスぜひ聞いてみたいものです(特にラルゲットは私の大好物なので…)。

HOROMAN氏のソシエテサイトを見るとルイとエドワールは同一人物のようですね。


101.昔のホルン奏者

name: 夢中人 - 2002年08月26日 23時20分19秒

ケル・モーセンのSPレコード・リストに興味津々の夢中人です。まずデニス・ブレインと同じ或いは以前の世代のホルン吹きは誰で、何を録音したのかということ。早速オーケストラとの独奏曲を中心に拾い出してみました。

アクセル・マルム
アターベリ/ホルン協奏曲
ストックホルム放送交響楽団/指揮クルト・アターベリ
Columbia 13603(1928/29)
エーテボリ放送響との再録音(1948.11.15)もあり。

アントン・ホーナー
ワーグナー/ジークフリートのホルン信号
Victor 17174(1912.10.9)

ウィレム・ヴァルケニエ
モーツァルト/ロンド変ホ長調、K.371
レジナルド・ボラドマン(pf)
Night Music NM101/102(1946.6.17)

ゴットフリート・フォン・フライベルク
ベートーヴェン/ホルン・ソナタ
エラ・ペスル(pf)
Columbia DX 830/31(Boston,1936?)

ジャン・ドゥヴェミ
グラズノフ/夢
サン・サーンス/ロマンス
ラムルー管弦楽団/指揮アルベール・ウォルフ
Polydor 566138(P1932)

マックス・チモロング
モーツァルト/ホルン協奏曲第3番変ホ長調、K.447
ザクセン国立歌劇場管弦楽団/指揮カール・ベーム
Electrola DB 5628/29

ルイ・ヴィエルモ
シャブリエ/ホルンとオーケストラのためのラルゲット
オーケストラ/指揮フランシス・セブロン
Lumen 32.063
エドワール・ヴィエルモのサン・サーンス/ロマンスもあり。

ルシアン・テヴェ
モーツァルト/ホルン協奏曲第3番変ホ長調、K.447
管楽器協会オーケストラ/指揮フェルナン・ウーブラドゥ
Disque "Gramophone" DA 4929/50

この他ニューヨーク・フィルのブルーノ・ジーニック、お国物のニールセンの管楽五重奏曲を吹いたハンス・ゾレンセン、1948年にプラハFOK響とシュティッヒの協奏曲第5番を入れたエマニエル・コーツキー(Kaucky)などがいました。

知っている人、知らない人ありました。戦前はオーブリー・ブレインだけかと思っていましたが、なかなかどうして多士済々です。この前話題にしたモーツァルトのロンドまであったのには驚きました。



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