ゆかりの地を訪ねて


ロンドン

ロイヤル・フェスティバル・ホール

眺めの良いテムズ河畔にあるコンクリート剥き出しのホール。1951年5月3日開場。1952年、巨匠トスカニーニの最後の訪英となったフィルハーモニア管弦楽団のブラームス交響曲全曲演奏会は、特に有名。また、1956年のホフナング音楽祭でデニス・ブレインがオルガンと水撒きホースを吹いたのもここである。

正規のレコーディングで使われたのは案外少なく、1952年10月のギド・カンテルリ指揮の数曲の録音があるのみ。


ロイヤル・アルバート・ホール

ヴィクトリア女王の夫君アルバート公を記念して1871年に完成。1950年5月22日、ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮、フィルハーモニア管弦楽団がキルステン・フラグスタートの独唱でリヒャルト・シュトラウスの《四つの最後の歌》を世界初演した。

BBCのプロムナード・コンサートの会場であることで有名だが、一階はアリーナ(平土間)になっており、真中には可愛らしい噴水もあって、観客は本番が始まるまで、ビニールを敷いて横になったりしてリラックスする。


王立音楽院(RAM)

1822年創立。デニスの学んだ音楽学校。赤煉瓦と白壁のクラッシックな建物。デュークス・ホールを併設。


ウィグモア・ホール

1901年開場。1943年10月15日、ベンジャミン・ブリテンの《テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード》は、このホールで初演された。


大英図書館

大英博物館とは棟続きである。写本室には、大作曲家の自筆楽譜が展示されており、ブリテンの《セレナード》も見ることが出来る。


ナショナル・サウンド・アーカイヴ

大英博物館の附属(The British Library National Sound Archive 96 Euston Road, London NW1 2DB)。BBCのサウンド・アーカイブを事前に予約しておけば、無料で試聴できる。ただ、録音テープは放送番組単位であるため、頼めばスキップしてもらえるものの、時間的余裕が必要。 オンライン・カタログはこちら。メールはnsa@bl.uk


ハムステッド管区教会

ハムステッドは、リージェンツ・パークの北に位置するロンドン郊外の高級住宅地である。地下鉄でいうと、ノーザン線のゾーン2の一駅目、駅の北東側には、有名なハムステッド・ヒースがある。街は、「ロンドンのモン・マルトル」の名のとおり、なだらかな坂になっており、駅から少し下ると右手に古い教会が目に入る。

1957年9月6日(金)、この教会でデニスの葬儀が営まれたが、埋葬されたお墓はほど近いハムステッド墓地にある。


ハムステッドの自宅

英グラモフォン社発行の季刊誌ICRCの創刊号(1995年5月)に、デニス・ブレインの自宅(37 Frognal, Hampstead, London)に記念標識が掲げられたという記事が掲載された。デニスは長男トニーの生まれた1952年から事故死するまでの5年間をこの家で過ごした。


アクスブリッジ

ロンドンから帰国する際、ヒースロー空港へは、地下鉄ピカデリー線に乗る。ところが、アクスブリッジ行きというのがあり、途中のアクトンタウン駅で空港方面ではなく、あらぬ方向に行ってしまうので注意が必要。ただし、アクスブリッジはイギリス空軍の駐屯地であり、アクトンタウンは、デニスの祖父の代に一家が住んでいたところであり、どちらもとても縁あるところ。


エディンバラ

アッシャー・ホール

1914年開場。1957年8月31日(土)、このホールでのユージン・オーマンディ指揮、フィルハーモニア管弦楽団のオール・チャイコフスキー・プログラム終了後、デニス・ブレインは、ロンドンの自宅で家族と朝食をとるため、愛車のトライアンフTR2を駆って、380マイルの家路についた。


Last updated 2000/12/17