パリ交響楽界の現状

 現在パリには次の8つの交響楽団がありその中の6楽団が毎年10月から翌年4月まで毎週1回の定期演奏会を開いている。即ち各楽団は毎シーズン約30回の定期を開く訳であって、従って6楽団で1シーズン約180回の定期を持つことになる。
 パリの交響楽界の特殊事情として一番目につくのは1〜4の楽団が毎日曜の同じ時間に平行して定期を開いていることである。しかもパリの演奏会は大部分9時始まりであるに対しこの4楽団の定期は5時45分という妙な時間からである。(「ソシエテ」は土曜の朝10時から安い入場料で総稽古を聴かしてある) 従って聴きたい指揮や曲目が2つも3つもの演奏会に重なることが往々ありファンが選択に苦しむことが少なくない・・・松本太郎(レコード芸術1964年5月号より)


オーケストラ 創立
年目
正指揮者 就任 会場 座席数
ソシエテ・デ・コンセール
(パリ音楽院管弦楽団)
136 アンドレ・クリュイタンス 1948 シャンゼリゼー劇場 2100
コンセール・コロンヌ 91 ピエール・デルヴォー 1958 シャトレー劇場 3400
コンセール・ラムールー 67 ジャン・バティスト・マリー 1961 プレイエル楽堂 2500
コンセール・パードルー 46 アルベール・ヴォルフ 1933 シャイヨー宮 3000
国立放送局の
オーケストラ・ナショナル(ORTF)
30 定指揮者なし   シャンゼリゼー劇場  
コンセール・シュートー 第2次
大戦後
ルネー・ピエール・シュートー   主にガヴォー楽堂 1200
ソシエテ・フィラルモニック・
オーケストラ
4 レオン・バルザン   シャンゼリゼー劇場  
国立放送局の
オーケストラ・フィラルモニック
         
国立放送局の
オーケストラ・リック
         

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