THE LOST FRENCH ORCHESTRA..... 

来日公演賛否両論


日本のファンよ、ご注意あれ!
このクリュイタンスはあなた方の魂を奪おうとするだろう。
次はあなた方の番だ!
日刊シカゴズ・アメリカン、Heuwell Tircuit
(レコード芸術1964年5月号より)


ゴールデン・コンビが放つ
絢爛たる近代管弦楽の粋
クリュイタンス
パリ音楽院管弦楽団
来日記念レコード
ラヴェル管弦楽曲集
■世界の名演奏を○芝ファミリー・ステレオ電蓄で
すべて永久にホコリのかからない世界の特許エバークリーンレコードです
名盤の宝庫
○芝の
エンジェルレコード


4月27日午後1時20分、パリ音楽院管弦楽団一行105名は、
KLM特別機で羽田に到着、直ちに日航機にに乗り換えて大阪に向かった―

Ravel Festival
贅(ぜい)をつくしたフェスティバル・ホールのロビーで大勢の評論家仲間に昨夜のラヴェルの出来映えをきいたら、みんなまだ興奮のさめやらぬ面もちで、「涙の出るような・・・」、「背筋のゾクゾクするような・・・」名演奏と、口を揃えて絶賛していた。私はさもありなんという気持ちで席についた・・・
志鳥栄八郎

やはり大作曲家をもつ国のオーケストラの強みである。
倉敷レーヨン社長、大原総一郎
Ravel Festival
忘れられないのはクリュイタンスが指揮して64年度の大阪国際フェスティバルでパリ音楽院管弦楽団が演奏した「ラベルの夕べ」です。    
保育社「ステレオ・アルバム」
柴田仁著1966年3月刊   

「なき王女のためのパバーヌ」の絵画的、詩的雰囲気はフランス人でなければよくしえない特殊な香りをもっていた。
村田武雄
PCO JAPAN TOUR
1964

4月28日/大阪フェスティバルホール   
来日した外国のオーケストラは十指に余り、その国籍もさまざまだが、フランスのオーケストラはこれが初めて。   
初日の「ラヴェル・フェスティバル」で最初の音を聴いたとたん、このオーケストラの鮮彩な美しさに聴衆は酔わされた。
program B
残念ながら、この夜のオーケストラの出来はかんばしくなかった。ブラームスもムソルグスキーも、明らかに練習不足の目立つ演奏で、このオーケストラの最大の欠点を白日のもとにさらしたような感じであった(中略) 金管楽器の技術も弱く、「展覧会の絵」の「ブイドロ」のホルンや、「サミュエル・ゴールデンベルグとシュミイレ」のトランペット独奏のなさけない音には、ほとほと閉口した。    
志鳥栄八郎
いままでに聴いた外国のオーケストラのなかで、これほどムラ気なオーケストラははじめてである。ちょうどドゴールをオーケストラに仕立てたようなものである。 こういう特徴は、レコードでは絶対わからない。
志鳥栄八郎   
  


ラベルの神髄引出す
パリ音楽院管弦楽団 


東京初公演


 この春、いちばん人気を呼んで待たれていたパリ音楽院管弦楽団の東京公演はフランス音楽の粋を余すところなくきかせ、期待に見事にこたえた。
 136年の歴史と、音楽院の分身ともいえる組織の堅実さが文字通りフランスを代表するに足る楽団をつくりあげている。(中略)
 木管楽器は世界一を自負しているだけあって、柔和な音色と流麗な奏法が随所に光り、金管楽器は洗練された強じんさで輝き、弦楽器、とくにバイオリンは厚みのある透明な音でそれらを包むように響く。打楽器のとどろきは威圧的ではなく、律動感のうしろだてとなっている。
 「ラベル・フェスティバル」と銘うった当夜のプログラムはまさにこの楽団とクリュイタンスの真価を披露するにふさわしいものであった。第1曲「スペイン狂詩曲」がひき出された瞬間、これまでに聞いた他の国の交響楽団とまったく違った繊細、高雅な美しい特色のある音を耳にして、音楽の不思議さとよろこびを感じた。このあとつづく舞踏組曲「マ・メール・ロワ」「ラ・バルス」などラベルの舞曲への強い関心を示す作品では、単調な動機をいくども繰返して少しの抵抗も感じさせないかと思えば、からだがひとりでに浮きうきするような歯切れのよいリズムで楽しませた。「なき王女のパバーヌ」では指揮者はタクトを持たず、手さきのあやで悲嘆の情を表現したが、なんともいえない悲しいきれいさで心打たれた。(中略)この交響楽団によって、わが国で初めてラベルのなまの香りを知るころができたといえよう。=7日・東京文化会館
 

昭和39年5月8日朝日新聞


注記ないもの/音楽之友社レコード芸術1964年6月号より


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