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投稿者:夢中人 - 投稿日時:2000年09月08日 22時28分34秒 [ 210.130.32.12 : Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98) ] |
先日久しぶりにタワーレコードに寄ってホルン奏者のコーナーを見て驚いた。なんとあのデニス・ブレインのリヒャルト・シュトラウスとヒンデミットの協奏曲のリマスター盤(EMI CDC 7 47834 2 / P1998)が出ている!
この番号は当初、米エンジェルから1986年に出て以来のもので、ヒンデミットの方が1994年、作曲者自作自演シリーズ(COMPOSERS in Person)でリマスターが発売されたり、モーツァルトが同じ1994年にブックレット表紙にあの葡萄色の初版LPジャケットを配したEMI執念の新リマスター盤(CDC 5 55087 2)以降、1997年のEMI百周年バージョン(CDC 5 56231 2)やらart盤(CDM 5 66950 2)やら再発を繰り返したのに比べ、シュトラウスの方は音沙汰が無く、さすがに気になり始めていた。
私はデニス・ブレインに関するCDについては、ことさらアンテナを広げて徹底的にウォッチしてきたつもりだがこの同一番号によるリマスター盤は情報を得ることもなく見過ごしてしまった。あるいはモーツァルトとリヒャルト・シュトラウスというホルン協奏曲の双璧とも言える曲に若干反応が鈍くなっていたのかもしれない。
再生音の素晴らしさは想像以上。低弦は力強く、ガレス・モリスのフルートやバーナード・ウォルトンのクラ、シドニー・サトクリフのオーボエといったフィルハーモニアの同僚達のソロも艶やか、バックのホルン達の合いの手も強烈で、もちろん独奏ホルンのディテールもより明瞭になっている。
ブックレットにはスティーヴン・ペティット書き下ろしの解説があり、その終わりの文章にさらに驚いた。「デニス・ブレインはこれら三つの曲を全てB管のアレキサンダーで録音した」とある!これは東芝EMIの「デニス・ブレインの芸術」の解説書の冒頭にある千葉 馨氏による「デニス・ブレインのこと」でデニスが楽器をアレキサンダーに変えてからもヒンデミットの協奏曲は1818年製ラウーで演奏したという記述に合わないのである。
千葉氏の文章は、デニス・ブレインが初演を前にラウーをF管からB管に改造したことや1950年、エディンバラ音楽祭での改造後のラウーを持ったデニスの写真(ヒンデミットの協奏曲のエディンバラ初演は、実際は1954年)などからこの20年間納得してきたし、今でも正しいと思う。
ペティットのこの「秘密の暴露」は果たして本当なのだろうか?謎である。
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/1921/
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